学校で習った英語はほとんど覚えていないので、始めから英語をやり直したい人
趣味程度でいいので少しでも英語が話せるようになりたい人
文法はなんとなくわかるが初心者レベルの英語力の人
英語が喋れたらカッコいい!
この記事を訪れたみなさんは、一度くらいそんな気持ちを抱いたことがあるのではないでしょうか?
私はオンラインの英語講師をしていますが、

学校で英語は勉強したけど、当時はまったく真面目にやっていなかった。もう一度英語をやりなおしたい!!
という大人になって英語を再び勉強したいと思う生徒の数は実はけっこう多いのです。
英語勉強に遅すぎることはありません。この記事では、『初心者の英語勉強は何から始める?一から英語を勉強したい社会人へ英語講師が学習法紹介』というテーマでカナダ在住の私が以下のことを紹介していきます。
- 英語初心者がまずやるべきこと
- 英語初心者のおすすめ勉強法
- 英語初心者が勉強する際の注意事項
- 英語勉強の気になる疑問点まとめ
それでは早速見ていきましょう!
初心者の英語勉強は何から始めるべき?まずやりたい4つのこと


最初に、初心者の方にまずおすすめしたい4つのことを紹介します。



私が英語を教えるなかで生徒さんにおすすめしている勉強法です!
【英語初心者がやるべきこと①】中学英語文法の復習
文法が分からないとそもそも文章を作ることができない
中学英語のみでも十分自分の意見を伝えることが可能
もしあなたが基礎的な文法すら覚えていないという状況ならば、まずは少なくとも中学英語文法は完璧にしておくことは必須です。



文法なんていいから会話ができればいいんだよ!
と思うかもしれませんが、文法は文章を作る基礎の基礎。文法が分からないと文の組み立て方がわかりません。
例えば過去の話は過去形、未来の話は未来形にするという時制の話や助動詞(can, should, have toなど)の種類と使い方など、日常会話でよく使う文法はすべて日本では中学校で習うものです。
文法の勉強は面倒に感じるかもしれませんが、初心者が英語をやり直すうえで避けては通れない部分です。
【英語初心者がやるべきこと②】頻出英単語の暗記
文章はすべて単語の集まりで構成されている
その単語自体を知らないと文章ができない
文章はすべて単語の集まりです。“I like cats.”という文章も、“I”、“like”、“cats”という3つの単語で構成されています。
もしあなたが「ねこ」という英単語を知らなかったら、そもそもこの文章を作ることはできませんよね。
というわけで、単語をたくさん覚えることで作れる文章が増えていきます。またリスニングをする際も、多くの単語を知っていればいるほど聞き取れることが増えるでしょう。



“I like spinach.”と言われたときに、“Spinach”という単語を知っているかどうかで聞き取れるかどうかは大きく変わる。
こちらも最低でも中学英語レベルの単語を最初に覚えておくことがおすすめです。


【英語初心者がやるべきこと③】簡単な文章のシャドーイング
英語のリズムや発音に慣れることができる
英語を話す練習になる
日本で英語を勉強していると、どうしても文法やリーディングの勉強に集中してしまいがちです。テストのためだけに勉強しているならまだしも、「実際に英会話がしたい」ということであればリスニング・スピーキングの練習は欠かせません。
シャドーイングとは、聞いた英語の音声を数秒遅れてそのまま真似して声に出す練習法のことです。英語を聞いてそっくりそのまま真似るように発声するので、耳を鍛えて発音を上達させることができます。
【英語初心者がやるべきこと④】基礎力が身に着いたらアウトプットの場を作る
実際に英語を使うことで知識が定着する
モチベーションの増加につながる
ある程度基礎力が身に着いたら、続いては実際の会話でアウトプットをしてみましょう!自分の英語がどれくらい通用するものなのかを試してみるのは、自分のレベルを知るうえでとても重要です。
アウトプットには、
英会話レッスンを受ける
言語交換イベントに参加する
といった方法があります。
家で一人で勉強するばかりではやはりつまらないですよね。
誰かと英語で話すことを通して、「英語で話すことって楽しい!」「自分の英語でも伝わることがわかった!」「もっといろんな話をしたい!」と思うことが英語学習のモチベーションアップにつながるはずです。
初心者の英語勉強、具体的なやり方は?おすすめの方法紹介


さて初心者がやるべきことがわかったところで、続いては具体的な英語勉強法を紹介します。



勉強法には人によって合う・合わないがあるから、色々試してぴったりの方法を見つけよう!
文法書・単語帳を一冊買ってやりこむ
メリット | 正しい情報が手に入る | 必要な文法事項を取りこぼしなく一気に勉強できる
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デメリット | 参考書だけでは活きた英語は学べない |
注意点 | 知識として覚えるだけでなく会話で使うことをイメージする | 色々な参考書に手を出すのではなく一冊を完璧にする
教科書の勉強なんて学校みたいでいやだ!と思う人もいるかと思いますが、英語の基礎を勉強する際は教科書と単語帳が一冊ずつあると便利です。
必要な情報が一冊にすべて詰まっているので、まずはその一冊を完璧に理解できるようにしてみましょう。



個人的にはノートに手書きで勉強するのが好きですが、もちろん読み込むだけでも教科書に直接書き込むのでもなんでもおっけー!
中学英語をやり直せる参考書はたくさんありますし、中学英語文法がまとめられている無料のウェブサイトも存在します。まずは忘れている文法の穴を埋めていきましょう!
アプリを利用して英語学習を習慣化
メリット | 無料アプリも多く気軽に始めやすい | 寝る前や通勤時間のスキマ時間で勉強できる
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デメリット | 気軽すぎて知識が定着しにくい |
注意点 | 特になし |
英語学習の無料アプリはたくさん存在します!これを使わない手はありませんね。
単語学習、聞き取り練習、文法クイズなど、様々なジャンルのアプリで気軽に英語の勉強を始めることができます。
通勤中の電車、寝る前・起きた直後、会社の昼休みになど、5分あればいつでもどこでも勉強ができるアプリは英語学習の強い味方です。少しでも英語に触れる、英語学習を毎日の習慣にする手助けになるでしょう。
とはいえ、英語アプリは無料で使える範囲に限りがあったり、ゲーム感覚すぎて知識が定着しにくかったりという特徴もあります。アプリは英語学習の補助的な感覚で利用することがおすすめです。
YouTubeやPodcastを利用してリスニング練習
メリット | 自分に合ったチャンネルを見つけることができる | 完全無料でネイティブの英語が聞ける
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デメリット | 必ずしも正しい情報とは限らない | 初心者には難しすぎて理解できないものもある
注意点 | 大げさな情報に左右されない | 情報を鵜呑みにせず自分で調べる意識を持つ
リスニングの練習にはYouTubeやPodcastがおすすめです。英語のニュースやネイティブによる英語学習コンテンツ、ドラマや映画を利用したリスニング練習コンテンツなど自分に合ったチャンネルを見つけることができるでしょう。
特におすすめしたいのがリスニング練習を行うことができるもので、
英語を聞く→なんと言っていたか聞き取り理解する→答え合わせ→シャドーイングで発音練習
という流れが特におすすめです



日本にいるとなかなか英語を耳にする機会がないから、英語の耳を鍛えることは大切。
ここで注意したいのが、情報はたまに間違っている点、間違っていないにしても鵜呑みにしない方がいいものもあるという点です。例えばアメリカの人が「英語ではトイレのことを“Toilet”とは言いません!」と言ったとしても、イギリスではトイレのことを “Toilet”と呼びます。このようにYouTubeやSNSでの情報は、情報量が足りないことも多いのです。
さらに、「 “I don’t know.”って絶対言わないで!」「“Rice”と“Lice”の発音を間違えたら終わり!」のような大げさな情報にも注意が必要です。
私がカナダで暮らしている経験上“I don’t know”は普通に使いますし(使わない方がいい状況もある)、発音をちょっと間違えたからと言ってバカにされることもまずありません。
初心者向けの簡単な英語の本やニュースを読む
メリット | 語彙力があがる | 文法の復習になり正確な英文読解力が身に着く
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デメリット | リーディングだけではスピーキング力はつかない |
注意点 | 難しすぎる本は挫折の原因になる |
日本語でも、読書をたくさんする人の方が語彙力や表現力が高い傾向にあるのではないでしょうか?それは英語も同じこと!読書は英語力を身に着けるうえでとても重要な勉強法です。
読書は自分のペースで時間をかけて行うことができるため、落ち着いて英文を読解することができます。知らない単語やフレーズを1つずつ調べて、丁寧な読み取りを心がけましょう。
また英語の本を選ぶ際は、自分のレベルに合ったものを選ぶようにしましょう。最初は絵本から始めても全く構いません!
おすすめは『オックスフォード・リーディング・ツリー(Oxford Reading Tree)』というイギリスのオックスフォード大学出版局が出版している絵本シリーズです。イギリスの小学校で実際に採用されている英語の教科書で、レベルは1から9(4歳から7歳相当)まであります。



私自身も高校生のとき、ネイティブの4,5歳の子が読むレベルの絵本からスタートしました。それでも意外と知らない単語がたくさんあって勉強になります!
英会話レッスンを受講し英語を使ってみる
メリット | 自分の英語を直してもらえる | 英語を使う経験が得られる
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デメリット | 全く話せない状態だと効果が薄い |
注意点 | いきなり英語しか通じない相手だとコミュニケーションが大変 |
ある程度勉強が進んだら英会話レッスンで自分の英語を試してみましょう!英会話の楽しさを感じることができたら最高です。
初心者の方は、話したいことを予習してから臨むことで落ち着いてレッスンを受けることができます。また日本人の講師を選べば、日本語で解説をしてもらうこともできます。
レッスン後は学んだ表現を復習し、次回のレッスンで自分から使ってみることで知識が定着します。インプット→アウトプットを繰り返して英語に慣れていきましょう。



英会話レッスンは最初のうちは週1、2回くらいのペースで大丈夫!予習・復習および自己学習の時間をしっかり取りましょう!
初心者の英語勉強で注意することはある?NG事項3つ


初心者が英語学習をするうえでやってしまいがちなNG事項についても紹介していきます。
「絶対にこれをしてはいけない」というわけではないですが、自分自身も長い英語勉強人生でたくさん失敗した経験があるので、みなさんの参考になれば幸いです。
いきなり英会話レッスンはハードルが高い



よーし英語の勉強を始めるぞ!まずはオンライン英会話に登録!!
というように、英語の勉強=英会話レッスンと考えてしまいがちなのですが…先述の通り英会話には文法力や単語力が必要です。
英会話レッスンは決して安くはありません。講師の言うことがほとんど理解できない、自己紹介をするのがやっとというレベルであれば、まずは自分で少し勉強してから英会話を始めたほうが費用を無駄にせず効果的に使うことができるかもしれません。
自分に合ったレベルから始めて無理な目標設定をしない



全くの英語初心者だけど1カ月後にTOEICで800点取るぞ~!
というのは、無理とは言いませんがかなり厳しい目標であることは間違いありません。
無理な目標設定→無理な勉強スケジュール→できなくて挫折→英語が嫌いになる
これは一番悲しいことです!無理のない範囲でコツコツ勉強をしていきましょう。英会話は短時間で習得できるものではありません。
例えばTOEICでスコアを100点上げるのに必要な勉強時間は、200時間と言われています。


これは1日2時間勉強しても100日かかる計算なので、このことからも英語力をすぐに上げるのは難しいことがわかりますよね。
細かい部分やカッコいい表現よりもまずは基礎が重要



“I like dogs.”は複数形じゃないと絶対ダメ!!



最近のカッコいいスラング“Slay”を覚えたぜ!
SNSやYouTubeでは、細かい英語のニュアンスを紹介したりスラングを面白く紹介したりするものも多く、そのどれもがキャッチーで楽しいコンテンツとなっていますが…
初心者の場合は細かい点は気にしないこと!!
まずは間違えてもいいので、単語や表現を覚えてとにかく使ってみることが大事です。
最近では手に入る情報が多いため、間違えることを極端に恐れている人が多いように感じます。多少ニュアンスが違っても、とりあえず通じるという経験をすることは大切です。



いわゆる文法警察は気にしなくていい!初心者のうちは間違えてもいいし、なんなら文法がちょっと間違っていても通じる。
文法を気にしすぎて会話が止まるよりも、多少粗くてもテンポよく話せるほうが実際の英会話では重要です。
また、スラングを覚えすぎるのも要注意です。言葉は変わっていくものなので、せっかく覚えたスラングも1年後には古い言葉になっているかもしれません。
英語初心者が英語を勉強する際の気になる疑問まとめ


最後に、英語初心者が英語を勉強するうえで気になる点をQ&A形式でまとめていきます!
英語を習得するにはどれくらいの時間がかかるの?
一般的には英語を習得するには3,000時間の勉強が必要と言われています。1日2時間勉強したとして1,500日、およそ3年といったところでしょうか。



3,000時間も勉強するなんて果てしないよ…
と思うかもしれませんが、英語学習は長い道のり。すぐに英語がペラペラになるという期待は禁物です。
ただし、ずっとリーディングだけやっている、洋画をただ観ているだけ、という偏った方法ではどれだけ勉強してもなかなか英語力が上がらないかもしれません。
大人の英語学習では、総合的な英語力を身に着けつつ効率よく学習していくことが欠かせません。
発音が難しいけど、発音ってやっぱり大事?
日本人が苦戦することが多い、英語の発音。結論から言うと、「スムーズに話ができれば発音が多少下手でもちゃんと通じる」です。
私はカナダに住んでいますが、世界中から人が集まるカナダではそれぞれがそれぞれのアクセントで英語を話しています。中には発音にかなり強いクセを持った人や、発音を間違えて覚えている人もいます。しかし、会話をするうえで理解ができるレベルであればそこまで気になりません。



日本人の英語発音も、日本人アクセントとして受け入れてもらえている印象。
とはいえ発音がきれいだと一気に英語が流暢に聞こえるので、個人的には発音も併せて取り組むことをおすすめします。
単語を覚える際はスペルと意味を覚えて満足するのではなく、発音も併せて勉強することでその単語が聞き取りやすくなります。


映画を使った勉強は初心者には難しい?
英語学習法として人気の高い洋画を使った英語勉強。洋画が大好き!という人にはぜひおすすめしたい学習法ですが、なかなか難易度が高いのもまた事実です。その理由は、
セリフは文法的に正確ではないこともある
会話が早くスラングが多い
ネイティブのガチ英会話は難易度が本当に高い
というもので、映画内のネイティブの本気の会話は初心者には難しすぎる一面があるのです。さらに映画は長いので、1つ1つ調べながら観ていくと途方もない時間がかかります。
映画を使って勉強する際は、
YouTube等ですでに勉強用コンテンツとして編集されているものを利用する
映画をすべて使おうとせず一部分だけでも完璧に理解できるようにする
ことがおすすめです。



とあるアメリカの映画を勉強のために観ていましたが、ジョークが多く汚い言葉やスラングだらけであまり日常的に使える英語を身に着けられなかったな…と思ったのを覚えています。
英語資格試験と実際の英会話力は違う?
日本ではTOEICや英検といった資格試験が、英語力を測る指標として使われることが多いです。
もちろん試験勉強をすることである程度の英語力は身に着きますが、やはりテストの英語と実用的な英語は異なります。



TOEICで900点でも会話は苦手…という人が意外と多い。
資格試験の勉強では主にリーディングとリスニングを勉強する人が多いと思うので、ぜひスピーキングも併せて勉強することで実際の会話力と英語試験のスコアの剥離を減らしていきましょう。
海外留学は初心者の英語勉強に効果的?
英語を勉強するならやっぱり留学がしたい!と思う人も少なくないと思います。
留学は世界中に友達を作って異文化に触れるなど様々な経験をすることができるので非常におすすめですが、「留学で英語力が上がるか」と問われると実はそうとは限りません。
短期留学は英語の習得には短すぎる
日本人とばかりつるんでしまう
語学学校の授業だけでは足りない
ノンネイティブ同士で話していても英語力が上がりづらい
といったことがその理由です。語学留学を効果的にするには、
日本にいるうちから英語を勉強し、留学をアウトプットの場として捉える
留学中も一人での英語学習を欠かさない
毎日その日言えなかったことの復習をする
といった姿勢が大切です。


【まとめ】大人のやり直し英語学習は今からでも遅くない!誰でも最初は初心者


というわけで、『初心者の英語勉強は何から始める?一から英語を勉強したい社会人へ英語講師が学習法紹介』というテーマで記事を書きました。
英語学習に遅すぎることはありません。1日5分でも、1日1単語でもいいので英語学習を始めてみてはいかがでしょうか?
中学英語文法の復習
頻出英単語の暗記
簡単な文章のシャドーイング
基礎力が身に着いたらアウトプットの場を作る
自分に合う英語勉強法は人それぞれで、一概には言うことができません。最初のうちは様々な勉強法を試しながら、自分が続けられそうだと思う方法で少しずつ勉強していきましょう!
英語はすぐに伸びるものではないので、「たくさん勉強してるのに全然できるようにならない!」と思ってしまうかもしれません。
しかし、それは誰もが通る道。その道を抜けた先に、英語が話せるようになる未来が待っています。
みなさんの英語勉強を応援しています。ここまでお読みいただきありがとうございました。