IELTS(アイエルツ)とは?世界ではめちゃくちゃ有名な英語テスト!受験経験者が徹底解説します!

日本で有名な英語のテストといえば、TOEICや英検が頭に浮かぶ人が多いと思いますが、

IELTS(アイエルツ)という英語の試験をご存じでしょうか?

IELTSはイギリスで生まれた英語試験で、なんと年間受験者数がは世界で380万人を超えています。さらに140を超える国々で合計10,000以上の機関が認定している英語試験で、英語圏での移住や大学進学等に使われている世界的には圧倒的な知名度を誇っているのです。

日本での知名度も徐々に上がってきているようですが、

留学のためにIELTSを受けなきゃいけない!

今度IELTSを受けるけどどんなテストなのか全くわからん!

という方のために、先日カナダでIELTS(General)を初受験し8.0を取得した筆者が『IELTS(アイエルツ)とは?世界ではめちゃくちゃ有名な英語テスト!受験経験者が徹底解説します!』というテーマで以下について解説します!

  • IELTSの概要
  • 各種英語試験とのスコア比較
  • IELTSの具体的な試験内容
  • 実際にIELTSを受験した際の流れや感想

それでは早速見ていきましょう。

目次

IELTSとはなにか?まずは概要を解説

IELTSはイギリス発の世界をリードする英語教育、言語研究機関であるIDP:IELTS Australia、Cambridge Assessment English、British Councilの3団体が共同開発したテストです。

そのため試験で扱われる英語は主にイギリス式です。

また、IELTSはTOEICとは違い解答は記述式です。マークシートではないので注意しましょう。

英語で必要とされる4技能(リーディング・ライティング・リスニング・スピーキング)のすべてを測定します。

TOEICは「リーディング&リスニング」、「スピーキング&ライティング」に分かれているけど、IELTSは全部まとめてやるんだね!

テスト結果は0から9までで評価され、0.5点きざみで上がっていきます。各技能ごとに0から9までのスコアが出て、その平均点が全体のスコア(Overallスコア)となります。

日本ではまだIELTSの知名度は低いので、IELTSで5.0点でした!といっても「それは…何点満点の?」となることが多い(笑)

スコアごとのレベル感は以下の通りです。

Band 9Expert user英語を自由自在に使いこなす能力を有する。適切、正確、流暢、完全な理解力もある。
Band 8Very good user不正確さや不適切さがみられるが、英語を自由自在に使いこなす能力を有している。慣れない状況下では誤解が生ずる可能性もある。込み入った議論にも対応できる。
Band 7Good user不正確さや不適切さがみられ、また状況によっては誤解が生ずる可能性もあるが、英語を使いこなす能力を有する。複雑な言葉遣いにも概ね対応でき、詳細な論理を理解できる。
Band 6Competent user不正確さ、不適切さ、誤解もみられるが、概ね効果的に英語を使いこなす能力を有する。特に、慣れた状況下では、かなり複雑な言葉遣いの使用と理解ができる。
Band 5Modest user不完全だが英語を使う能力を有しており、ほとんどの状況でおおまかな意味を把握することできる。ただし、間違いを犯すことも多い。自身の専門分野では、基本的なコミュニケーションを取ることが可能。
Band 4Limited user慣れた状況においてのみ、基本的能力を発揮できる。理解力、表現力の問題が頻繁にみられる。複雑な言葉遣いはできない。
Band 3Extremely limited user非常に慣れた状況において、一般的な意味のみを伝え、理解することができる。コミュニケーションの断絶が頻発する。
Band 2Intermittent user慣れた状況下で、その場の必要性に対処するため、極めて基本的な情報を片言で伝える以外、現実的なコミュニケーションをとることは不可能。英語の会話や文章を理解することは困難である。
Band 1Non-user単語の羅列のみで、基本的に英語を使用する能力を有していない。
Band 0Did not attempt the test必要情報が提供されていない。
参考:IELTSバンドスコア・採点方法|英語検定・試験のIELTS公式サイト

また、試験はペーパー版もしくはコンピューター版を選んで受験することができます。

IELTSには種類がある

IELTSは、主にGeneral Training Module(ジェネラル・トレーニングモジュール)Academic Module(アカデミックモジュール)の2種類に分かれています。

アカデミック主に英語圏の大学進学や英語圏での医療・看護・会計・エンジニア等、プロフェッショナルな機関への登録申請をする人が受験
ジェネラル・トレーニング英語圏での就労や移住申請をする人が受験
YUKI

私の場合はカナダでの永住権申請のためのIELTSだったので、ジェネラル・トレーニングを受験しました。

なお、イギリスへのビザ申請に必要な英語能力証明テスト(SELT)の1つとしてIELTS for UKVI(IELTS for UK Visas and Immigration)というものもあります。こちらはイギリス政府から正式に認可された試験で、イギリスへの留学や就労の際のビザ申請に使用できるそうです。

IELTSの各パートの試験構成や時間

IELTSの各パートの問題数、制限時間は以下の通りです。

リスニング40問40分
リーディング40問60分
ライティング2問60分
スピーキング11~14分

リスニング・リーディング・ライティングは連続で行いますが、スピーキングは人によって試験開始時間が異なります。

日本でIELTSを受験する費用や会場は?

日本でIELTSを受験する場合、2025年7月時点での費用は以下の通りです。

IETLS27,500円(税込み)
IELTS for UKVI31,900円(税込み)

クレジットカード払いもしくはコンビニ払いが可能です。

また、キャンセルや変更の際は以下の費用がかかります。

キャンセル費用6,050円(締切期日はテストセンターにより異なる)
日程・会場・モジュールの変更6,050円(締切期日はテストセンターにより異なる)
YUKI

IELTSは受験する国によっても受験料が異なるようで、私がカナダで受験したときは329CAD(35,000円ほど)かかりました。

また、日本のIELTSの受験会場は以下の通りです。

IELTSコンピューター版東京駅前、東京市ヶ谷、名古屋、大阪
IELTSペーパー版全国主要都市(札幌、秋田、仙台、千葉/船橋、東京、横浜/川崎、長野/松本、金沢、静岡/浜松、名古屋、京都、大阪、神戸、広島、福岡、熊本)

TOEICと比較すると受験できる会場がかなり限られていることが分かると思います。(参考までに以下の記事は当サイトで以前作成したTOEICの試験会場まとめです)

日本人のIELTSの平均スコア

ここで、IELTSが公式に発表している母国語ごとの平均スコアを見ていきましょう。

IELTS Academicの平均スコア

リスニングリーディングライティングスピーキングオーバーオール
5.96.15.75.55.9
参考:IELTS | Test Statistics

IELTS General Trainingの平均スコア

リスニングリーディングライティングスピーキングオーバーオール
5.95.65.75.65.8
参考:IELTS | Test Statistics

実際のIELTSは0.5点刻みで得点が上がりますので、日本人の平均スコアは6.0と言えるでしょう。これはTOEICでいうと740~820点程度となります。

先ほど紹介したスコアごとの英語力の定義を見ると、6.0は「不正確さ、不適切さ、誤解もみられるが、概ね効果的に英語を使いこなす能力を有する。特に、慣れた状況下では、かなり複雑な言葉遣いの使用と理解ができる。」とされています。

これはかなり高めのスコアなので、日本人でIELTSを受ける人は極めて高い英語力を有している人が多そうですね。

なお他の英語試験との点数比較は、のちほど解説します。

IELTSの結果の確認方法・見方

IELTSの結果は、

ペーパー版13日後
コンピューター版1~5日後

に確認することができます。

IELTSでは先述の通り、リスニング・ライティング・リーディング・スピーキングそれぞれのスコアと、その平均を算出したオーバーオール(Overall)スコアが出ます。

私の実際のスコア確認画面

オンラインでの結果は上のような画面で確認できます。各パートごとのスコアのレベル感スコアアップのためのアドバイスも記載されています。

ただし、オンラインでの結果は暫定的な非公式のものです。正式な結果は、後日成績証明書を郵送もしくは会場での受け取りで手に入れることができます。

稀に、オンラインでの結果と成績証明書の結果が異なる場合があるそうです。その場合は、紙の成績証明書のものが公式の最終結果となります。

IELTSのスコアとTOEICや他の英語試験のスコアを比較

IELTSとTOEIC、またその他の英語試験とのスコアを比較してみましょう。

以下は、文部科学省が2016年に作成した『各試験団体のデータによるCEFRとの対照表』をもとに、私が作成したスコア比較表です。

CEFRIELTS英検TOEIC/TOEIC S&W
C28.5‐9.0
C17.0‐8.01級1305‐1490
L&R 945~
S&W 365~
B25.5‐6.0準1級1095-1300
L&R 785~
S&W 310~
B14.0‐5.02級790-1090
L&R 550~
S&W 240~
A23.0準2級385-785
L&R 225~
S&W 160~
A12.03級ー5級200-380
L&R 120~
S&W 80~
参考:https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/shotou/117/shiryo/__icsFiles/afieldfile/2016/05/24/1368985_15_1.pdf

IELTSのスコア8.5以上は、TOEICや英検では比べることのできない領域となっていますね。

なお一番左のCEFR(セファール)は、英語の語学力を示すための国際的な指標です。一番上がC2レベルで、このレベルの人はネイティブスピーカーに極めて近い英語力を持つとされています。

状況別に必要とされるおおよそのIELTSのスコア

大学・大学院への留学アカデミック 6.0~7.5
英語圏への移住ジェネラル・トレーニング 6.0~6.5

必要となるIELTSのスコアは目的によって異なります。必要となるモジュールも異なるので、自分が必要とするIELTSの要件についてはしっかりと確認しておきましょう。

また、大学のレベルによっても必要とされるスコアは大きく変わります。

IELTSの試験当日のスケジュール

IELTSの試験当日は、このような流れで進んでいきます。(私の場合はリスニング→リーディング→ライティングという順番でした。)

試験開始9:00頃
問題冊子・解答用紙配布9:00〜9:20
ライティング(60分)9:20〜10:20
回答用紙・問題冊子回収、配布10:20〜10:30
リーディング(60分)10:30〜11:30
回答用紙・問題冊子回収、配布11:30~11:40
リスニング(40分)11:40〜12:20
回答用紙・問題冊子回収12:20〜12:30
試験終了12:30頃

スピーキングテストの実施時間帯は13:00~19:00で、このなかのどこかの時間でスピーキングテストを受けることとなります。

IELTSの試験内容をセクションごとに詳しく紹介

IELTSではどのような問題が出るのかについて、各4つのセクションについて紹介していきます。

ちなみにリスニングとスピーキングの内容はアカデミックとジェネラルで共通ですが、ライティングとリーディングについてはアカデミックとジェネラルで内容が異なります

リスニング

全40問で、パート1~4に分かれています。主な内容は以下の通りです。

社会生活を営む上での基本な会話パート1日常生活の2人の会話(予約や問い合わせなど)
パート2モノローグ(観光地のガイドや施設の説明など)
教育または研修の文脈に関連する状況パート34人までの会話(課題やプロジェクトに関する話し合い)
パート4アカデミックなモノローグ(専門的な話)

アカデミックとジェネラルで問題が共通なので、半分は日常生活の会話(ジェネラル)半分は専門的な会話(アカデミック)となっているようですね。

ジェネラル・トレーニングを受験する場合でも、少し難しい専門的な用語を知っておく必要があるでしょう。

リーディング

全40問で、パート1~3に分かれています。リーディングはアカデミックとジェネラルで問題が異なります。

アカデミックの問題内容
パート1事実や説明を中心とした文章
パート2やや抽象的な内容で、分析や議論などを含む文章
パート3難易度が一番高く、複数の視点や意見が含まれる文章
ジェネラル・トレーニングの問題内容
パート1生活上最低限必要な言語に関する文章
パート2より複雑な仕事に関する文章
パート3構造が複雑で内容が充実した文章

私が何度かジェネラルのサンプル問題を解いた際は、パート3ではルバーブ(植物)の育て方や走高跳の技術、炭鉱の安全性といった幅広い専門的な話題についての文章が出題されていました。馴染みのない言葉が多く苦戦したのを覚えています。

ライティング

ライティングはタスク1タスク2に分かれています。ライティングも、アカデミックとジェネラルで問題が異なります。

アカデミックの問題内容
タスク1図表の要約・説明(グラフ・表・地図など)
タスク2エッセイ形式で社会的な話題の原因や解決策に関する意見を論理的に説明
ジェネラル・トレーニングの問題内容
タスク1指定された状況に対して英文で手紙を書く(苦情やアドバイスなど)
タスク2エッセイ形式で社会的な話題に対して自分の意見を述べる問題

60分で150文字以上と250文字以上の文章を書く必要があるので、構成を考える時間実際に書く時間を調節するのが難しいです。

タスク2の方が配点が高いので、時間配分はタスク1が20分タスク2が40分が理想とされています。

スピーキング

スピーキングもパート1~3に分かれています。

パート14~5分自身に関する一般的な質問(家族、故郷、仕事など)
パート23~4分特定のトピックについての質問(話し始める前に1分考える時間とメモ作成可能)
パート34~5分パート2に関連したより抽象的な話題に関するディスカッション

スピーキングテストは試験官と一対一で行われ、話した音声はレコーディングされています。

【オマケ】カナダで実際にIELTSを受験した流れや感想

私は2025年7月5日にカナダのビクトリアでIELTSを受験しました。

試験前の不正対策がとにかく厳しく、入室前に空港のような金属探知機で身体検査をされました。荷物はパスポートラベルをはがした透明のペットボトルに入った水のみ持ち込み可能です。

筆記用具はテストセンターが用意した物のみ使用できるので、自分のものを持って行く必要はありませんでした。

テストは朝9時から始まり、リスニング・リーディング・ライティングを3時間ぶっ通しで行いました。トイレに行けるのはリーディングとライティングの間の限られた時間のみです。

YUKI

3時間座り続けるのがとにかくきつかったです…(トイレに行きたくなくても、一回くらい行っておくとリフレッシュになっていいかも)

カナダということで、おそらく受験者のほとんどが永住権申請など移住のためにIELTSを受験していることもあり、なかなかの緊張感が漂っていました。

スピーキングを除く3技能の試験は9時ごろ~12時ごろで終了し、スピーキングテストは多くの場合同日の午後に行われます。(日付が異なる場合もあるようです)

そのため一度会場を離れ、自分のスピーキングテストの時間にもう一度同じ会場に戻る必要がありました。

YUKI

この日はもう一日中緊張していた!お昼ご飯全然食べれなかった!(笑)

スピーキングの試験官はおそらく2人おり、それぞれ別々の部屋でスピーキングテストを行っていました。私の試験官は優しそうなおじいちゃんで、かなりリラックスすることができました。試験官によってパフォーマンスの差は出るかもしれないですね。

IELTSは本当に1日がかりのテストとなるため、テスト当日は何の予定も入れないことが賢明でしょう。(私はIELTSのあとに仕事を入れたので、ヘロヘロになりました)

【まとめ】IELTSは留学や移住に必要な試験!

というわけで、『IELTS(アイエルツ)とは?世界ではめちゃくちゃ有名な英語テスト!受験経験者が徹底解説します!』というテーマで記事を書かせていただきました。

IETLSはまだまだ日本では知名度の低いテストですが、これから留学や海外就職などグローバルな世の中になっていくなかで必要性が高まってくるテストだと思っています。

IELTSについてもう一度まとめます。

  • 年間受験者数は世界で380万人のイギリス発祥の英語試験
  • アカデミックとジェネラルの2種類に分かれている
  • 大学・大学院留学や移住申請に使われることが多い
  • リスニング・リーディング・ライティング・スピーキングの4技能からなる
  • スコアは0から9までで評価され、0.5点きざみで上がる

IELTSではイギリス英語が使われるので、試験対策のためにイギリス英語に慣れておくといいでしょう。

私が8.0(うちスピーキング満点)を取得した経験も踏まえ、IELTSに向けての勉強法も今後当サイトで紹介したいと思っております。

ここまでお読みいただきありがとうございました。みなさんのIELTSを応援しています。

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この記事を書いた人

里見 優希のアバター 里見 優希 EARTHIANS WRITER

カナダ在住。中学生のころからアメリカやイギリスのロックミュージック、映画などにハマり、英語に興味を持ち始める。大学生のころにハワイ、ニュージーランドへ1カ月の短期留学へ行くなど継続して英語の勉強を続け、2020年にTOEIC855点取得。新卒で入った仕事では主に国際関係の業務を担当し、英語で会議やアテンドを行う。2021年に日本での仕事を退職しカナダへCoop留学を決め、現在に至るまでカナダで仕事をしながら生活をしている。

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