留学先として人気の高い国カナダ。バンクーバーやトロントなど、特に大都市では日本に限らず世界中からたくさんの留学生が集まっています。
さて、留学に行くうえで気になってくることの1つは、やはり英語力ではないでしょうか。英語力を測る試験は色々ありますが、英語圏で知名度が高く様々な場面で利用されることが多いのがIELTS(アイエルツ)です。
IELTSとは、リーディング、リスニング、スピーキング、ライティングの4つの技能を測定する英語圏の国々に留学、就労、または移住するための英語力を測定する国際的な試験です。日本ではまだ知名度は高くないですが、年間受験者数がは世界で380万人を超え、さらに140を超える国々で合計10,000以上の機関が認定している英語試験なのです。
そこでこの記事では、カナダ在住4年目でIELTS8.0を取得したことのある私が『カナダ留学にIELTSは必要?必要性や求められるレベルを紹介【永住権にもつながる!】』というテーマで以下のことを紹介していきます。
- カナダ留学でIELTSが必要となるケースと必要なレベル
- IELTSのスコアがカナダ留学でどう役に立つか
- カナダでのIELTSの受け方
- カナダで使えるその他の英語資格はあるか
また、「IELTSってそもそも何?」という方は以下の記事で詳しく紹介していますので併せてチェックしてみてくださいね。

それでは早速見ていきましょう。
カナダ留学にIELTSは必要?まずは結論
さて早速本題です。カナダ留学にIELTSは必要なのでしょうか?その答えは、
IELTSは必須ではないが、留学目的によっては必要になる
です。
あとで詳しく紹介しますが、IETLSが必要となる可能性がある留学は以下のようなものがあります。
大学への留学、Coop留学、永住権申請
また、IELTSが必要ない留学は以下の通りです。
ワーキングホリデー、語学留学
IELTSは一般的に、英語圏の国々に留学、就労、または移住するための英語力を測定する国際的な試験とされています。そのため、この条件に当てはまる人はIELTSを受けたほうがいい可能性があるでしょう。
カナダ留学でIELTSが必要となるケースと必要なレベル

というわけで続いては、カナダ留学でIELTSが必要となるケースと必要なIELTSのレベルについて詳しく紹介していきます。
なおIELTSの採点方式は、4技能(リーディング・リスニング・リーディング・ライティング)それぞれのスコアが出て、その平均がOverall(総合)スコアとなります。スコアは1.0~9.0までのバンドスコアで表されます。
カナダの大学入学
まずはカナダの大学に入るために必要なIELTSのスコアの一部を確認していきましょう。
University of Tronto English Language Requirements | Future Students. University of Toronto | IELTS (Academic) for UKVI | 6.5以上(どの技能も6.0を下回らないこと) |
The University of British Columbia English language competency – UBC | Undergraduate Programs and Admissions | IELTS (Academic) | 6.5以上(どの技能も6.0を下回らないこと) |
University of Victoria English language requirement – Admissions – UVic | IELTS (Academic) | 6.5以上(どの技能も6.0を下回らないこと) |
Simon Fraser University Admission Requirements – Faculty of Graduate Studies – Simon Fraser University | IELTS (Academic) | 6.5以上(どの技能も6.0を下回らないこと) |
というわけで、カナダの名門大学のほとんどはIELTSの必要スコアを6.5と設定しています。さらに大学入学の際は必ずIELTS Academicを受験する必要があります。
さて、IELTSの必要スコアは6.5以上ということですが、これはOverall(全体の平均)が6.5以上ということです。さらに、1つでもスコアが6.0を下回っている技能がある場合要件を満たすことができません。

例えOverallスコアが7.0だったとしても、1つの技能で5.5を取ってしまったらいくら全体のスコアが良くてもダメということだね。
さらに、IELTSの細かい必要要件は大学によって異なります。例えばIELTS (Academic) for UKVI(英国ビザ申請のための英語能力証明テスト)の受験が必要な大学があったり、ワンスキルリテイク(4技能のうち1技能を再受験できるシステム)を受け入れている、もしくは受け入れていない大学があったりと、同じIELTSでも大学によって要件が異なる場合があります。
受験したい大学の細かい要件をしっかりと確認しておきましょう。
Coop留学
カナダ独自の留学プログラムとして人気の高いCoop留学。Coop留学ではカレッジで専門的な勉強をしながら有給のインターンシップができるので、留学しながらお金を稼げる点が人気の理由となっています。
そんなCoop留学ではカレッジに通うことが必須ですが、カレッジの入学にも英語に関する要件があります。
カレッジに入学するために必要なIELTSのスコアの一部を確認していきましょう。
Cornerstone Community College Hospitality Management | Cornerstone Community College | IELTS (Academic) | 5.5以上 |
Canadian College English Language Requirements | Canadian College | IELTS (Academic) | 5.5以上 |
ILAC Admission and Fees Toronto | ILAC International College | IELTS (Academic) | 4.0~5.0以上 |
カレッジは大学と比べると少し必要スコアが低くなっていますね。
またCoop留学には様々なプログラムがあり、プログラムによって必要なスコアが異なることがあるのが特徴です。


永住権の申請
カナダで永住権を取得したいという方も、IELTSのスコアが必要となります。
IELTS General Training | 一般的に6.0以上(プログラムにより異なる) |
永住権の場合は日常的な英会話力を測る必要があるため、IELTS General Trainingを受けなくてはいけません。



IELTS Academicは不可なので気をつけよう!
また、永住権申請の際はCELPIP(セルピップ)というカナダ独自の英語試験も利用可能です。ただしIELTSの方が世界的に知名度が高く、教材も充実しているので勉強がしやすいという特徴があります。
IELTSで高スコアを取ったらカナダ留学で役に立つ?


IELTSで高いスコアを持っていると、カナダ留学で有利に働くことはあるのでしょうか?
現地の大学やカレッジに通う場合や永住権を申請する際にIELTSが必要になることはわかりましたが、それ以外でIELTSが必要となる場面があるかと言われると…
基本的にはない
と思っておいていいでしょう。
例えばワーホリでは仕事を探すことになりますが、面接で「IELTSで〇点取りました」と言ってもあまりピンと来ない人が多いのではないかと思います。
特に英語ネイティブの人であれば、「IELTSってなに?この点はどれくらいすごいの?」という感じで、日常生活ではあまりIELTSは知られていません。



日本人にとっても、“僕はJLPT2級です!”と言われてピンとくる人は少ないはず。(JLPTとは日本語能力試験のこと)
テストのスコアよりも、実際に問題なく会話ができることのほうが大切です。
求人でも「英語でスムーズに会話ができる方」というように書かれていることが多く、特に「試験で〇点以上」と定められているものは見たことがありません。
さらに実際の日常会話は、試験で出てくる英語とは大きく異なります。話すスピードやスラング、文法が正確ではないなど、教科書英語では対応できないこともよくあります。
「テストはできるけど会話はできない」なんてことにならないよう、実践的な会話力を鍛えていきましょう!
カナダでIELTSを受けることはできるの?


カナダで大学に進学する場合や永住権を申請しようと決めた場合は、IELTSを受験する必要が出てきます。カナダのいくつかの都市では、IELTSを受験することが可能です。
IELTS公式サイトからオンラインで申し込みをすることが可能です。
IELTS公式サイト:IELTS Test Booking | IDP IELTS Canada
ここで気を付けなければならないのが、IELTSにはIELTS General Training、IELTS AcademicおよびIELTS for UKVIといった様々な種類の試験が存在するという点です。
IELTS General Trainingは、日常英会話の要素が強く永住権申請など移住の際に使われる試験で、IELTS Academicは主に大学・カレッジ入学の際に使われます。
種類を間違えてしまうと受け入れてもらえないため、自分はどちらのIELTSを受ける必要があるのかを必ず確認しておきましょう。



いくらIELTS General Trainingで満点を取っても、IELTS Academicが求められているところでは一切評価してもらえないのだ!
またIELTSにはペーパー版とコンピューター版があるので、自分の好きな方で予約をしましょう。
ちなみにカナダでIELTSを受験すると、350ドルほどかかります。決して安くない試験ですので、準備万端にして臨むことをおすすめします。
ちなみに、実はカナダではTOEICを受験することも可能です。カナダでのTOEICの受け方は以下の記事で詳しく解説しています。カナダ留学後に日本で働きたい!という方は、カナダ滞在中にTOEICのスコアを取っておくのもいいかもしれません。


IELTS以外にカナダ留学に必要な英語資格はある?


ワーホリや語学留学の場合は、特に英語資格が必要になることはありません。特にTOEICや英検は日本では知名度が高いですが、海外ではほとんどの人が知らない試験です。
先述の通り、試験のスコアよりも実際の会話力が何よりも重視されます。
英語の試験が苦手でもコミュニケーション能力が高ければ成功しやすいかもしれませんし、試験は高得点でも会話力がないと太刀打ちできないかもしれません。
大学やカレッジに留学する場合は、入学要件としてIELTS以外の様々な英語試験を受け入れていることが多いです。
例えば以下はカナダにあるカレッジの1つですが、TOEFL IBT、Cambridge English Qualifications、Duolingoといった試験も受け入れていることがわかります。





なんとEIKEN(英検)もある!プログラムによっては日本の英検も使えるんだね。
IELTS以外にも大学やカレッジ入学に利用できる英語試験は色々あるので、自分に合ったものを選んでスムーズに留学準備を進めましょう!


【まとめ】カナダ留学ではIELTSが必要な場合も!目指せ高スコア


というわけで、『カナダ留学にIELTSは必要?必要性や求められるレベルを紹介【永住権にもつながる!】』というテーマで記事を書いてきました。
カナダ留学にIELTSは必須ではないですが、大学・カレッジへの入学や永住権申請で必要になることがあります。
求められるスコアやIELTSの種類はプログラムによって異なるので、自分が必要なIELTSの要件をよく確認して準備をしていきましょう。
IELTSは、不慣れな人も多いであろうスピーキングとライティングの試験も含まれています。全科目で必要なスコアが取れるよう、しっかりと対策をすることが欠かせません!
みなさんのIELTS勉強、そしてカナダ留学を応援しています。ここまでお読みいただきありがとうございました。