IELTSのアカデミックとジェネラルって何?違いや試験内容・対策方法を大調査

英語の試験として世界的に知名度の高いIELTS(アイエルツ)

日本では英語の試験といえばTOEIC英検が有名ですが、英語圏での英語力を測る指標としては欠かせないテストといえばIELTSなのです。

日本ではまだまだ知名度が低いけれど、世界的には超有名なんだよ!

そんなIELTSには、アカデミック・モジュールジェネラル・トレーニング・モジュールという2種類のテストがあります。

アカデミックとジェネラルってどっち受けてもいいの?

アカデミックとジェネラルのテスト内容に何か違いはあるの?

IELTSにあまり馴染みのない方にとっては、「なんで同じIELTSなのに2種類の違うテストがあるの?」と思うことも不思議ではありません。

そこでこの記事では、IELTSのジェネラルで8.0を取得した経験のある私が以下のことについて紹介します。

  • IELTSの概要
  • アカデミックとジェネラルの違い
  • アカデミックとジェネラルの試験内容の違い
  • 実際に両方の問題を解いてみた感想

また、IELTSってそもそも何やねんという方は、以下の記事も併せてチェックしてみてくださいね。

それでは早速見ていきましょう。

目次

IELTSとはどんなテスト?概要をチェック

IELTSとは、イギリス発の世界をリードする英語教育・言語研究機関であるIDP:IELTS Australia、Cambridge Assessment English、British Councilの3団体が共同開発したテストです。そのため試験で扱われる英語は主にイギリス英語です。

また年間受験者数は世界で380万人を超えており、さらに140を超える国々で合計10,000以上の機関が認定している国際的に認知度の高い英語試験です。

IELTSの解答は記述式で、マークシートは使用しません。

試験科目はリーディング・ライティング・リスニング・スピーキングの4技能を測定します。

テスト結果は0から9までのスコアで評価され、0.5点きざみで上がっていきます。各技能ごとに0から9までのスコアが出て、その平均点が全体のスコア(Overallスコア)となります。以下がスコアの例です。

SpeakingListeningReadingWritingOverall
5.56.06.55.06.0 (5.75を四捨五入)

よく比較されるTOEICとの違いについては、以下の記事で詳しく解説しています。

IELTSには2種類ある!アカデミックとジェネラルの違いを徹底解説

IELTSには、アカデミック・モジュール(Academic Module)ジェネラル・トレーニング・モジュール(General Training Module)という2種類の試験があります。

2つの試験の好きな方を受けていいわけではなく、それぞれ様々な点で違いがあるので、受験前にチェックしておく必要があります。

4つの違いについて表にまとめてみたよ!

アカデミックジェネラル・トレーニング
試験目的英語圏の大学や大学院への留学
プロフェッショナルな機関への登録申請
英語圏での就職や移住のためのビザ申請  
試験内容大学の講義、学術論文、専門家の講演といった、学術的な会話や場面を想定した課題や設問が多く出題される日常生活や職場でのやり取りを想定した課題や設問が多く出題される
難易度高め低め
点数配分必要な正答率は低めに設定必要な正答率は高めに設定

ではそれぞれの違いを、より詳しく見ていきましょう。

①アカデミックとジェネラルの試験目的の違い

まずは試験目的ですが、アカデミックとジェネラルで以下のような違いがあります。

アカデミック英語圏の大学や大学院への留学 プロフェッショナルな機関への登録申請
ジェネラル・トレーニング英語圏での就職や移住のためのビザ申請

このように、2つとも試験目的が大きく違います。モジュールを間違えてしまうと一切受け入れてもらえないので要注意です。

せっかくジェネラルで高得点を取得しても、大学の入学申請には使用できないのだ!

例えばオーストラリア、ニュージーランド、イギリス、カナダの永住権を取得する際には、ジェネラル・トレーニングの受験が求められます。

②アカデミックとジェネラルの試験内容の違い

アカデミック大学の講義、学術論文、専門家の講演といった学術的な会話や場面を想定した課題や設問が多く出題される。
ジェネラル・トレーニング日常生活や職場でのやり取りを想定した課題や設問が多く出題される。

アカデミックとジェネラル・トレーニングの気になる試験内容ですが、簡単に言うとアカデミックは学術的、ジェネラルは日常会話です。試験科目に変わりはありません。

アカデミックとジェネラル・トレーニングの、リーディングとライティングの問題の違いを見てみましょう。

リーディング(アカデミック)
パート1長文読解(見出しの選択、選択問題)事実や説明が中心。
パート2長文読解(正誤問題、選択問題)やや抽象的な内容で、分析や議論などを含む。
パート3長文読解(選択問題)難易度が一番高く、複数の視点や意見が含まれる。
リーディング(ジェネラル)
パート1読解問題(正誤問題・単語抜き出し)生活上最低限必要な言語に関する文章
パート2読解問題(見出しの選択、選択問題、正誤問題)より複雑な仕事に関する文章
パート3長文読解(選択問題、見出しの選択など)構造が複雑で内容が充実した文章
ライティング(アカデミック)
タスク1図表の要約・説明(グラフ・表・地図など)
タスク2エッセイ形式で社会的な話題の原因や解決策に関する意見を論理的に説明
ライティング(ジェネラル)
タスク1指定された状況に対して英文で手紙を書く(苦情やアドバイスなど)
タスク2エッセイ形式で社会的な話題に対して自分の意見を述べる問題

全体的にとっつきやすいのはジェネラルですね。ライティングも自分の意見を書けばいいので、自分の気持ちや得意なことを書くことができそうです。

YUKI

日常的なシチュエーションと馴染みのある語彙が多いので、ジェネラルはとにかくやりやすいのです。

ここで注意したいのが、なんとリスニングとスピーキングはどちらも試験内容が同じということです。つまり、リスニングとスピーキングに関しては難易度に全く差がないということですね。

③アカデミックとジェネラルの難易度の違い

アカデミックとジェネラルでは、一般的にはアカデミックの方が難しいとされています。理由としては、

  • 学術的で専門的な日常的に耳にしない語彙が多い
  • 長文が多いため読み解くのに時間がかかる(リーディング)
  • 図の要約や社会的な問題に関するプロフェッショナルな記述スキルが必要

などが挙げられます。

ジェネラルは、会社でのルールや観光ツアーの案内など、旅行や日常の場面での英語が多いため馴染みがある点が比較的簡単に感じると思います。

④アカデミックとジェネラルの点数配分の違い

アカデミックの方が難しいということをお話ししましたが、実はアカデミックとジェネラルは点数配分が違うので注意が必要です。

アカデミックの方が問題の内容は難しいのですが、アカデミックはスコアを取るために必要とされる正答率が低めに設定されています。どういうことかというと、

参考:Readingで求められるスコア

アカデミック

  • バンドスコア5=40点満点中15点
  • バンドスコア6=40点満点中23点
  • バンドスコア7=40点満点中30点
  • バンドスコア8=40点満点中35点

ジェネラル・トレーニング

  • バンドスコア4=40点満点中15点
  • バンドスコア5=40点満点中23点
  • バンドスコア6=40点満点中30点
  • バンドスコア7=40点満点中35点

引用:IELTSには2種類ある!アカデミックとジェネラルの違いを徹底解説|英語検定・試験のIELTS公式サイト

このように、アカデミックでは35点取れたらスコア8が取れるのに対し、ジェネラルは35点取ってもスコアは7止まりなんですね。

点数配分が違うなんて思いもしなかった!

というわけで、内容は難しくてもスコアが取りやすいのがアカデミック内容はやりやすいがスコアが取りにくいのがジェネラルとなっています。

アカデミックとジェネラルで同じところはある?

最後に、アカデミックとジェネラルで同じところについても表でまとめていきます。

受験料27,500円(日本の場合)
試験形式コンピューター・ペーパーの両方あり
スコア1~9のバンドスコア
試験科目リスニングとスピーキングは同じ問題が出題
試験時間2時間45分
申込方法オンラインから(公式サイト:お申し込み

受験料はどちらも変わらないんですね。また、試験時間にも代わりはありません。

基本的な試験の大枠に関する部分は同じだね。

IELTSのアカデミックとジェネラルの試験対策の方法は?

アカデミックとジェネラルは試験内容が異なっているということで、その試験対策の方法ももちろん異なります。

特に学術的な英語が出題されるリーディングとライティングは、アカデミック用のレベルの高い勉強をしないとスコアが伸びないかもしれません。

続いては、アカデミックとジェネラルの試験対策について紹介します。

YUKI

私はジェネラルを受験しましたが、ジェネラルの問題だけに絞って勉強していました。

アカデミックの試験対策

アカデミックでは学術的な英単語が出てくるので、日常会話の語彙では届かない部分があるかもしれません。
例えばこちらのサイト(IELTS Vocabulary 300+ Words List – PDF (updated 2025))のように、IELTS用のボキャブラリーがまとめられている教材を活用することもおすすめです。

またアカデミックの難関パートといえばライティングです。タスク1は図表の要約・説明、タスク2は社会的な話題の原因や解決策に関する意見を論理的に説明するという難易度の高いものですが、IELTSライティングにはコツがあります。

例えばタスク2であれば、簡単に以下の流れで書いていくことができます。

STEP
導入(Introduction)

質問を言い換える、これから自分が何について述べるのか書く

STEP
本文①(Body Paragraph1-Advantages)

その話題のメリットについて触れる

STEP
本文②(Body Paragraph 2 -Disadvantages)

その話題のデメリットについて触れる

STEP
結論(Conclusion)

デメリットもあるがこういったメリットもあるという結論付け、自分の最終意見を最後に言う

“Firstly, Secondly”,“However”、“What’s more”などの接続詞の幅を広げることも、より洗練されたライティングスキルを磨くために重要です。

ジェネラルの試験対策

ジェネラルでは日常会話の延長のような問題が出題されるので、難しい専門用語などの知識は基本的には不要です。

イギリス英語のニュースやテレビ番組など、ネイティブの日常会話のリスニングをたくさんするといいでしょう。

YUKI

私は試験前はとにかくBBCニュースをたくさん聞いていました。

リーディングはとにかく過去問や例題集をたくさん解き、問題の雰囲気に慣れることが欠かせません。英語のパンフレットや説明書など、日常的に目にする文章を英語で読む練習も効果的です。

ジェネラルのライティングは自分の意見を書くエッセイ形式なので、アカデミックより楽だと思います。自分の意見を言葉にする練習、同じ単語を繰り返し使わないようにリフレーズ(Rephrase)する練習を行いましょう。

YUKI

ライティングはAIを使って練習しました。IELTS General Trainingのライティングのサンプル問題を出してもらい、それに打ち込む形で回答するとAIが自分の英文を添削してくれます。

実はもう1種類ある!IELTS for UKVIとは?

IELTSには2種類あるというお話をしてきましたが、実はIELTSにはもう1種類試験が存在しています。それが、IELTS for UKVI

UKVIとはUK Visas and Immigrationの略で、イギリスへのビザ申請に必要な英語能力証明テストの1つとして英国政府から正式に認可された試験です。イギリスへの留学や就労の際のビザ申請に使用することができます。

ちなみにこのIELTS for UKVIの中にも、アカデミックとジェネラルの種別があります。

アカデミックはイギリスの学士および修士学位取得のための留学もしくは就労目的、ジェネラルはイギリスへの移住、もしくは学士号未満の職業訓練や勉強をする目的です。

こちらはコンピューターのみでの試験となります。

ジェネラルとアカデミックの問題を実際に両方解いてみた!

YUKI

2025年7月にジェネラル・トレーニング・モジュールを受けた私が、アカデミックの問題にも挑戦してみました。

最後は実際に、ジェネラルとアカデミックの両方の問題を解いた私がその感想をシェアしていきます。

なおアカデミックは、公式サイト(IELTS Academic & Academic UKVI test preparation – materials)のサンプル問題を解いてみました。

リーディングについて
YUKI

Part1の正誤問題や問題文から単語を抜き出す問題はアカデミックでも比較的簡単でした。ただアカデミックは使用語彙が難しいので文章全体が難しい!

またこれはジェネラルにも言えることですが、段落ごとの正しい見出しを選ぶ問題はちゃんと話が理解できていないと全くわかりません。

リーディングはコツを掴んで訓練をすればアカデミックでも無理ということはなさそうです。ただ本当に自分の興味のない分野に関する問題が出ると、話の内容が全くつかめないということになってしまう危険性もあるなと感じました。

ジェネラルもPart3では少し専門的な長文読解が出るので、語彙力は必須ですね。

YUKI

自分のよく知らない分野だと、出てくる単語も馴染みのないものばかり…。

ライティングについて
YUKI

ぶっちゃけジェネラルのライティングは簡単に感じました。「おすすめの映画とその理由」「届いた商品についてクレームの手紙を書く」など、自分の意見を好きなように書くことができます。
しかし!アカデミックでは、事実に基づいた正確なライティング力が必要です。文章の組み立ても、レポートを書くように流れに沿っていなければいけません。

アカデミックの方が問題の難易度は高いですが、やはりテストなので「型」があります。ライティングの型に沿って、使うべきフレーズ接続詞を覚えて文章を書いていけば、ひどい点数になることはないように感じました。

YUKI

ライティングは模範解答をよく読んで、構成やよく使われている単語を見つけることが大事ですね。

【まとめ】IELTSはアカデミックとジェネラルがある!受験する方を間違えないように!

というわけで、『IELTSのアカデミックとジェネラルって何?違いや試験内容・対策方法を大調査』というテーマで記事を書きました。

記事の内容をまとめます。

  • IELTSにはアカデミック・モジュールとジェネラル・トレーニング・モジュールがある
  • アカデミックは英語圏の大学や大学院への留学のため、ジェネラルは英語圏での移住、就職のため
  • リーディングとライティングの問題は異なるがリスニングとスピーキングの問題は同じ
  • アカデミックとジェネラルでは必要スコアを取るための点数配分が違う
  • アカデミックとジェネラルはそれぞれに合った試験対策が必要
  • イギリスへの留学や移住の場合はIELTS for UKVIが必要な場合も

IELTSは英語圏で留学や就労をする人はぜひ受けるべき試験ですが、日本国内での認知度も少しずつ高まってきています。

自分の目的に合わせて、間違えのないようにIELTSを受験してくださいね!

みなさんのIELTSを応援しています。ここまでお読みいただきありがとうございました。

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この記事を書いた人

里見 優希のアバター 里見 優希 EARTHIANS WRITER

カナダ在住。中学生のころからアメリカやイギリスのロックミュージック、映画などにハマり、英語に興味を持ち始める。大学生のころにハワイ、ニュージーランドへ1カ月の短期留学へ行くなど継続して英語の勉強を続け、2020年にTOEIC855点取得。新卒で入った仕事では主に国際関係の業務を担当し、英語で会議やアテンドを行う。2021年に日本での仕事を退職しカナダへCoop留学を決め、現在に至るまでカナダで仕事をしながら生活をしている。

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