実用英語技能検定(英検)というテストがあります。
言わずと知れた今日本で最も知名度の高い英語資格です。英語学習者の中で英検を知らないという方はまずいないでしょう。英検は割と良心的な価格で受験することができ、その英語力測定の幅も広いことから、多くの人に親しまれています。
管理人も一番下の級である5級からスタートし、2018年度第3回試験において1級を受験するまでになりました。従って、管理人にとっても非常に愛着のある英語検定です。
そんな英検ですが、残念なお知らせが入ってきました。
なんとこの度2019年度の試験から検定料が変更になるそうです。
まじか!!!やめてくれ!!!!
本日は、『【悲報】2019年度より英検受験料が大幅値上げ!そこから読み取れる英語業界事情とは!?』というテーマでお話していこうと思います。
- 英検の値上げについて詳しく知りたい方
- 検定料改定の背景と現在の英語学習業界を知りたい方
英検は今回の改定で全ての級が値上げ!!
さて、今回の2019年度からの改定において、全ての級において値上げが実施されます。もっとも値上げ幅が激しいのが1級です。
なんと1,100円も値上げされてしまいます。
これは多くの英検ファンにとっては重大な問題であるといえるでしょう。5級のように500円の値上がりで済む級もありますが、1,000円前後変わってきます。
英検は、英語における4技能を評価できるにも関わらず、TOEFLやIELTSと比較して安価に受験でき、さらには日本の大学受験とも親和性が高いことから多くの国民に受け入れられてきました。
しかし、この改定は結構痛いと思います。安さが売りだったからです。
英検の値上げに関する当局の発表
当サイトを含め、これには多くの人ががっかりしているかと思いますが、当局の発表を聞いてみましょう。重要な箇所は当サイトが赤でハイライトしております。
【検定料改定の背景】
昨今、従来型の英検は、全国の多くの大学や高等学校の入試に幅広く採用され、英語能力を測定する英語学習者のための検定試験というこれまでの位置づけから、新たに「入学試験」の要素が加わりました。それにより、入試利用のための受験者数が増加し、また従来の英語学習者の皆様も、ここ最近の英語熱の高まりもあり、増加傾向にございます。最近の従来型の英検の実施運営におきまして、こうした益々増加する受験者様を公開会場に収容するために多様な会場確保が必要となり、会場借用単価が増加しています。また受験者数増加に伴い比例的に会場数も増加するなか、実施監督者をはじめとする人件費等の実施関連費用も増加しています。さらに、入試や情報管理等に対応し得る実施運営、及び物流の品質強化といったセキュリティ関連費用等も増加しているのが現状です。こうした実施運営に関わる費用が割高になっている中、これまでは検定料を据え置いてまいりましたが、いよいよ価格に反映する必要性に迫られ、このたび、近年の受験者動向を勘案した上で、来年度から上述の検定料に改定させていただくことといたしました。英検協会としましては、従来型の英検におきまして、引き続き、盤石なる実施運営を構築し受験者の皆様にご満足いただけるサービス提供をめざしてまいります。なにとぞ本旨をご理解いただき、従来型の英検も他の検定と合わせまして、引き続きのご支援を賜りますよう謹んでお願い申し上げます。
引用元:公益財団法人 日本英語検定協会
どうやら、英検はこれまでの『ただの検定試験』という枠組みを越え、『入学試験』の要素が取り入れられているということです。確かに、大学や高校等の入学試験において、一定以上の級を保有していることで優遇措置が受けられる所も多くなっています。
また、受験者数も大幅に増加しているということで、会場における借用単価が増加しているとのこと。確かにこれには誰もが納得といったところでしょう。昔に比べて英検の知名度も大幅に上昇し、TOEICと並ぶ人気試験となっていることから、採算がとれなくなってきているのかもしれません。
さて、英検が人件費を大きく削っていたことは管理人も気付いていました。試験官は必ずどの級であっても若い大学生の学生さんでした。『とりあえず、格好だけでも』という運営側の要請でしょうか。真っ黒なリクルートスーツを着て、かったるそうに『単発バイト』をしている姿が印象的でした。
従って、人件費に関してはTOEICと比べてお金をかけていないのは丸わかりです。勿論、検定料が安いということもあるかもしれませんが、英検自体のボリューム層が学生なので、社会人が多いTOEICに比べて『それなりの試験管』を用意する必要が無かったのかもしれません。
ここ最近の英語学習ブームに、この価格では提供できなくなったということでしょう。
英検は逆に考えれば今までが安かったのか!?
なんで値上げするんだと思われる方も多くいらっしゃるでしょうが『逆に今までよくその検定料でやってくれていた』というのが正しい解釈なのかもしれません。TOEFLiBTを受験された方であれば4技能の判定にお金が多くかかることをご存知かと思います。
1級はさすがに改定前も他の級に比べて高かったですが、5級に至ってはわずか2,500円で受けさせてくれていたのですから、かなり良心的だと思います。正直、今後さらに値段が改訂されることは十分に考えられるため、このくらいの値段で受験できるうちにできるだけ上の級を取得してしまうというのが今後の戦略の一つであると言えるでしょう。
逆に言えば、『お遊び』で受験する人が減るので英語学習業界的にはそれはそれで良いのかもしれません。
値段は高くなってしまいましたが、これを契機に一念発起して頑張っていきましょう!!
【追記】英検受験料が2020年度からまた値上げ!!【最悪】
追記です。またしても残念すぎる内容になっています。
2020年1月、2020年度英検の受験料が再度改定されることが発表されました。以下のリンクからご確認下さい。
またか!!!!
上記にて確認すると、英検CBTやS-CBT・S-Interview という通常受験とは異なる、毎週受験可能な試験に関しては値下げをする一方で、従来の年3回の英検は値上げをすることになります。
民間試験導入延期に伴っての対応したのかも知れませんが、さすがにやりすぎではないでしょうか。前回の値上げ分を考慮すると、英検1級に関しては2000円近くも値上がりすることになります。
また、問題なのが、CBTに関して、英検1級に関しては実施されないという点でしょう。『早期実現へ向けて進行中』ということですが、正直いつのことになるのかは完全に不明確かつ不透明です。中高生向けのシステムなのは分かりますが、これは何とかならないものでしょうか。
ここまで英検も値上がりすると、『英検を受験しよう!!』という方も少なくなるのではないかと思います。英検は非常に素晴らしい英語資格だと思っておりますし、学生はできる限り今後のためにも英検を取得しておくべきだと思います。
そもそも、英検は4技能が測定でき、トータルでの英語力が担保できるにも関わらず、良心的な値段で受験できるのが最大の売りだったはずですが、このままだとどこまで高くなってしまうのか心配なところです。追記する前に当サイトからも言っていた『早めに受験しておく』という考えはあながち間違っていなかったのかも知れません。
今後は、よっぽどお金に余裕のある方でない限り、もうお試しやお遊びで受験できる価格では無いと思います。時代の流れなので仕方のないことなのかも知れませんが、今後の動向にも注意していく必要がありそうです。