カナダは留学先として人気の高い国の一つです。
カナダ留学に行こうと思っているけど、そういえばカナダ英語ってどんな感じなんだろ?
アメリカと近いし、やっぱりアメリカ英語と同じなのかな?
カナダ留学を決めたはいいものの、カナダの英語事情について実はあまり知らない!という方も多いのではないでしょうか?
今回は日本ではあまり触れる機会の少ないカナダ英語について、『カナダ英語とアメリカ英語の違い!留学前に知っておきたいカナダ英語の特徴まとめ』というテーマでまとめていきます。
この記事を書く私はカナダ在住3年目、ローカルの老人ホームでカナディアンの同僚たちと日々仕事をしています!カナダ英語を毎日浴びながらお仕事中です。
カナダ英語の特徴とは?
カナダ英語とその他の英語の違いは?
カナダ英語特有の表現
それでは早速みていきましょう。
カナダ英語の特徴を大調査!カナダ英語は聞き取りやすい?
カナダ英語は発音にクセが少なくきれいだと言われています。こちらは実際のカナダのニュース番組ですが、聞いてみるととても聞き取りやすいクリアな英語であることがわかると思います。
カナダ英語には発音がアメリカ寄り、スペルがイギリス寄りという特徴があります。
アメリカに近いからといって完全にアメリカ英語というわけではないんだね!
さらに後ほど詳しく紹介しますが、カナダ特有の英語表現もいくつか存在します。
ちなみに、カナダでは英語のほかにフランス語も公用語として定められています。とはいえフランス語を話す州はケベック州のみで、その他の州はすべて英語圏です。バンクーバー、トロントなどの英語圏に留学をする場合はフランス語は一切必要ないので、安心してくださいね。
カナダ英語の発音の特徴は?訛りがある?
カナダ英語の発音はアメリカ英語と似ています。特にノンネイティブにとっては、カナダ人の話す英語とアメリカ人の話す英語の違いはほとんどわからないほどです。
日本の学校で習う英語はほとんどの場合アメリカ英語ですので、カナダ英語は日本人にとっては聞き馴染みのある発音です。またカナダは留学生や移民も多く英語を第一言語としない人が多いので、それぞれがそれぞれのアクセントで英語を話しています。
私自身たまにアメリカに旅行に行きますが、英語の発音の違いは特に気がつきません。強いて言えばアメリカの人の方が話すのが速いかも…?
とはいえカナダ英語とアメリカ英語には異なる点もあります。“Z”はアメリカでは「ジィー」と発音されますが、カナダではイギリス式の“セッド”と発音します。
またよく例に出されるのが“About(アバウト)”。カナダ英語では“Aboot(アブート)”のように発音される…という話をよく聞きますが、これはかなり強調した例えで、実際はそこまで強く発音の差は出ないように感じます。
地域によってアクセントの違いがある場合もありますが、カナダ英語には標準語とかけ離れたような訛りはほとんどないと言ってもいいいでしょう。
カナダ英語はどうやって生まれた?カナダ英語の歴史
カナダ英語はアメリカ英語とイギリス英語が混ざっていますが、なぜそのような英語が生まれたのでしょうか?それには、カナダ英語が誕生した歴史背景に関係があります。
カナダは実はイギリスからの影響を大きく受けている国の一つです。英仏戦争やイギリス・フランスの植民地争いの末に18世紀にカナダはイギリスの植民地となりました。
さらにその後に起こったアメリカ独立戦争を経て、アメリカに住んでいた多くのイギリス人が当時イギリスの植民地であったカナダに移住したという経緯があります。
こういった歴史的背景のなかでカナダ英語ができたため、カナダにはイギリス英語が色濃く残っていながらアメリカ英語の影響も受けていると言われているのです。
地理的にアメリカに近いからといってアメリカ英語がそのまま使われているわけではないのには、こういった理由があります。
私の住むビクトリアはかなりイギリス文化が色濃く残っている街。職場の老人ホームの入居者の中にはイギリス人からの移民の方がなんと半数以上!カナダにいながらイギリス英語を耳にする機会がかなり多いです。
カナダ英語、アメリカ英語、イギリス英語を比較してみよう!
続いて、カナダ英語とアメリカ英語、さらにイギリス英語の違いを比較をしてみます。いくつかの特徴的な単語をピックアップし、表にまとめていきます。
使う単語の違い
カナダ英語 | アメリカ英語 | イギリス英語 | |
---|---|---|---|
トイレ | Washroom | bathroom, restroom | Toilet |
炭酸飲料 | Pop | Soda | Fizzy Drinks |
輪ゴム | Elastic Band | Rubber Band | Elastic Band |
ガソリン | Gasoline | Gasoline | Petrol |
蛇口 | Tap | Faucet | Tap |
地下鉄 | Subway | Subway | The Tube/the Underground |
なお飲食店などで使われることの多い紙ナプキンについては、カナダ英語は“Souvette”と言われていますが実際はアメリカ英語と同じ“Napkin”を使用することが多いです。
スペルの違い
カナダ英語 | アメリカ英語 | イギリス英語 | |
---|---|---|---|
小切手 | Cheque | Check | Cheque |
色 | Colour | Color | Colour |
お気に入りの | Favourite | Favorite | Favourite |
タイヤ | Tire | Tire | Tyre |
気づく | Realize | Realize | Realise |
キャンセルする | Cancelled | Canceled | Cancelled |
センター | Centre | Center | Centre |
シアター・劇場 | Theatre | Theater | Theatre |
カナダでは複数の単語で、イギリス式のスペルを使うことが多いです。しかし単語によってはアメリカ式のスペルなので、そこがカナダ英語のややこしいところですね。スペルについては、
という特徴があります。
アメリカ英語を勉強してきた日本人の我々にとっては、
「“Colour”って“u”入るんだっけ!?」「“Centre”…セントレとは…?どう読むの…?」
というふうに戸惑いやすいポイントかもしれません。(ちなみにCentreはセントレではなく普通にセンターと発音します。)
私自身もATMを初めて使った際に、“Cheque”という単語をみて混乱しました(笑)
速さ、長さなど単位の違い
カナダ英語 | アメリカ英語 | イギリス英語 | |
---|---|---|---|
長さ | ㎜, ㎝, m in, ft | in, ft, yard, mile | ㎜, ㎝, m in, ft, yard, mile |
重さ | g, ㎏ oz, lb | oz, lb | oz, lb |
速度 | ㎞/h(メートル毎秒) | mph(マイル毎時) | mph(マイル毎時) |
通貨 | Dollar, Cent | Dollar, Cent | Pound, Pence |
温度 | ℃(摂氏) | ℉(華氏) | ℉(華氏) |
単位の言い方も国によって大きく異なるので注意が必要です。
長さの表記でインチ(in)やフィート(ft)を使ったり、スーパーで野菜が1ポンド(Ib)〇ドルという表記がされていたりと、日本人にとってはややこしいものも多いです。
とはいえカナダの単位は比較的日本の単位と似ているので生活がしやすいのが特徴です。
車を運転するときも速度が㎞/h表示なのでわかりやすくてありがたいです!
カナダ特有の英語表現・スラング
カナダしか使われていない英語表現を紹介していきます。どれもカナダ英語習得には欠かせないボキャブラリーです。カナダに来る前にチェックしておきましょう!
“Eh?”
カナダ英語の代名詞的存在、“Eh?(エイ?)”。“You are busy, eh? (忙しいでしょ?)”という感じで、相手の同意を得る際などに文末で使わることが多いです。 “Right?”と同じようなものですね。
お土産屋さんには“Eh?”と書かれたTシャツなどのグッズも売られているほど、定番のカナダスラングです。
実際に私のカナダ人の同僚たちも使っているのをよく耳にします。カナダに来たらぜひ使ってみてくださいね!
“Double-Double”
クリーム2杯、砂糖2杯を意味する単語、“Double-Double(ダブル・ダブル)”。カナダで大人気のドーナツチェーン、Tim Hortons(ティムホートンズ)で生まれた言葉だそうですが、普通のカフェでも“Double-Double”と注文している人をたまに見かけます。
甘いものが好きな人が多いカナダならではの英単語って感じですね。
ちなみにカナダのマクドナルドやティムホートンズでは、コーヒーを頼むと元から砂糖とクリームが入っている場合が多いです。
“Hydro”
“Hydro(ハイドロ)”と聞くと「水」のイメージが強いかと思いますが、カナダでは“Hydro”は電気・電力を指す言葉です。私の住むブリティッシュコロンビア州(BC州)でも、BC Hydroが電気事業を行っています。
初めて家を借りたときは、「Hydroで電気の契約をしてね」と言われて「???」と思ったものです。
カナダでは水力発電が主な発電手段ということで、このように呼ばれているそうです。
“Loonie”, “Toonie”
“Loonie(ルーニー)”, “Toonie(トゥーニー)”とは、カナダの1ドル硬貨、2ドル硬貨の通称です。
1ドル硬貨に描かれている水鳥(Loon)がその由来となっており、日常会話でも「ルーニー持ってる?」「5ドル札をトゥーニー二個とルーニー一個に両替してほしいんだけど」というようによく使用されます。
私も飲食店でレジをしていたときは、よくこの言葉を耳にしました。慣れるまでは理解するのに時間がかかります。
移民の多いカナダはアクセントも多種多様!
カナダの統計局の2022年10時点での発表(The Daily — Immigrants make up the largest share of the population in over 150 years and continue to shape who we are as Canadians (statcan.gc.ca))によると、人口の4分の1(23.0%)に値する830万人が移民(永住権取得者、永住権取得後カナダ国籍に変えた者)であるとされています。
特に大都市ではノンネイティブも多いため、全員がそれぞれのアクセントで英語を話しています。スペイン訛り、インド訛り、イタリア訛りなど、色々な英語を聞く機会があると思います。
留学中はカナダ人よりもむしろ同じ留学生同士で交流することが多いため、留学前はオンライン英会話などで世界中の様々なアクセントの人と話してみるのもおすすめです。
実際カナダ英語の勉強はおすすめ?在住3年目が紹介
カナダ英語はこんな人におすすめです。
- アメリカ発音の英語を勉強したい人
- 癖の強くないニュートラルな英語を話したい人
私自身はカナダで三年間生活をし、現在は現地の老人ホームでカナダ人の同僚たちと仕事をしています。もともとアメリカ英語に憧れていた私ですが、カナダでの生活を通してきれいなアメリカ式の発音が身に付いたので非常に満足しています。
カナダは留学生が多く、英語が苦手な人でも暮らしやすい環境だと思います。ゆっくり話してくれる人や、ノンネイティブに対しても優しい人が多いです。
カナダは語学学校やインターンシップなどのプログラムも豊富で英語を勉強しやすい仕組みが整っており、さらに聞き取りやすくニュートラルな英語を学ぶことができるので、留学先としておすすめです。
日本ではあまり馴染みのない「カナダ英語」ですが、クリアで癖のない発音で英語を話したいと思う人は、カナダ英語の勉強をしてみてはいかがでしょうか?
【まとめ】カナダ英語はアメリカ英語とイギリス英語のミックス!
というわけで、『カナダ英語とアメリカ英語の違い!留学前に知っておきたいカナダ英語の特徴まとめ』というテーマで記事を書いてきました。
カナダはアメリカと同じ北米の国ですが、実はアメリカ英語がそのまま使われているわけではなく、イギリス英語の影響を強く受けているということが分かったと思います。
カナダ英語の特徴をもう一度まとめます。
- カナダ英語の発音はアメリカ英語と似ている
- カナダ英語は一般的に癖が少なく聞き取りやすい
- 一部の単語のスペルはイギリス英語式
- ものの単位は日本と比較的似ている
- カナダ特有のスラングが存在する
英語にはアメリカ英語、イギリス英語、オーストラリア英語など様々な種類がありますが、アメリカ英語に馴染みのある我々にとっては、カナダ英語はかなり親しみやすいと思います。
カナダ留学に行く前は、カナダのコンテンツを見る、カナダ人と英会話をするなどぜひカナダ英語を勉強してみてくださいね!
みなさんの英語学習を応援ししています。