世の中には『カフェレッスン』というものがあります。
カフェレッスンは基本的に先生と生徒が、カフェ等で落ち合い、その場で授業が行われます。マンツーマンで授業が受けられるということで、管理人も過去に何度もカフェレッスンを経験したことがあります。
しかし、今振り返ってみると、カフェレッスンというのは正直オススメできるものではありません。
今回はカフェレッスン経験者の立場から、そのメリット・デメリットを余すことなくお伝えしようと思います。この記事を読み終わった頃には、カフェレッスンに対する印象が少し変わり、自分の基準でしっかりと判断できるようになることでしょう。
そもそもカフェレッスンって何?
まず、『カフェレッスン』という言葉自体知らない方もいらっしゃるかもしれないので、最初に解説しておきます。カフェレッスンと聞くと何やら今風のオシャレな感じに聞こえるかもしれません。
カフェレッスンは、読んで字の如くですが、『カフェ』で行われる『レッスン』です。
基本的にスタバやタリーズといったカフェで、コーヒーその他のドリンクを飲みながら一緒に授業ないし勉強をします。塾に通ったりする必要がない為、気軽に授業が受けられるのと、カジュアルな感じが今の時代にウケているのかもしれません。
授業内容は別に英語に限った話ではなく、中国語や韓国語、その他一般的な勉強でも有り得る話です。ただ、カフェレスンの大部分が英語でしょう。
カフェレッスンでは先生を探す
さて、カフェレッスンというのは、待っていればどこからともなく先生が現れるのではなく、こちらから先生を探す必要があります。
どのようにして探すのかというと、英語(その他も)を教えたい先生と、英語(その他も)を学びたい生徒をマッチングさせる仲介業者が存在しており、両者がそのマッチングサイトに登録することで、生徒は先生の情報を見ることができ、コンタクトを取るのです。先生自身も、自分のプロフィールを盛って、なんとかして多くの問い合わせがあるように頑張ります。この仲介業者は、検索エンジンで調べるといくつも出てきます。
このようにして生徒は先生を探すのです。
カフェレッスンにおけるコンタクトの取り方
例えば、先生のプロフィールを見ていて『この人がいい』と決めたとしましょう。
この後は、先生にコンタクトを取る必要があります。仲介業者によって違いはあるものの、先生のメールアドレスが『1件◯◯円』といった感じで売られています。場合によっては,『5件で◯◯円』というようにパックになっていて、1件あたりの金額が安くなることもあります。
さて、連絡の取り方は基本的にメールをすることになりますが、日本語が理解できる先生というのは非常に少ないのが現状です。従って、英文のメールを送る必要があります。英文のビジネスメールに関しては、ネットでテンプレートを検索すればいくらでも出てくるので、それを参考にしながら自分なりにオリジナルの英文に変えるのです。
従って、最低限の文法及び英単語が分からないとオリジナルのメール文書を作れないので、完全な初心者には少しハードルが高いかもしれません。
カフェで実際に会う
日にちと時間を指定して先生とアポを取ります。
お互いの日程や条件が一致したら、会う場所を決めて授業をすることになります。先生の中には、自分の事務所を持っているケースもありますが、基本的にはどっかのカフェ等のある程度長居が許される場所で行うことになります。
勿論、ファミレス等でも良いのですが、ピーク時などはかなり迷惑になることから、結局はカフェになってしまうのです。
実際に見ず知らずの人と会うのはなかなか緊張しますが、そこを頑張って乗り越える必要があります。
【迷惑】カフェレッスンの問題点
では、そんなカフェレッスンですが、どんな問題が潜んでいるのでしょうか。
管理人は過去何人もの先生とアポを取って、カフェレッスンを繰り返してきました。しかし、カフェレッスンをすればするほど、その問題点が浮き彫りになってくるのです。
私が感じる問題点を今日はご紹介したいと思います。
カフェレッスンの問題① 先生の質が低い
第1の問題はやはりこれでしょう。
色んな方を見てきましたが、仲介業者に登録している先生の質が圧倒的に低いです。マジで低いです。
これは、仲介業者に問題があるわけですが、仲介業者というのは単に先生の情報を右から左に流しているだけであり、先生が登録する時に個別の審査というのは一切ありません。
自分で講師登録してみれば一発でわかることです。(あるところも存在するかもしれませんが、ほぼ無いでしょう)
従って、先生の質が担保されず、謂わば『ただ英語が喋れるだけ』のネイティブだったり、暇を持て余してお小遣い稼ぎがしたい主婦や短期で日本に来ている外国人が片手間にやっている。というのが現状です。つまり、先生の質が全く担保されていないのです。
考えてみれば当たり前の話で、英語教授法の修士号を持っていたり、それなりに教える実績のある人であれば、そんなマッチングサイトに登録するのではなく、いわゆる『まともな』企業で英語を教えているからです。
管理人が出逢ってきた人の中には、大学で英語を教えている先生やECC等の企業で教えている先生もいましたが、大半はなにをしているのかよく分からない、ただ、英語だけは喋れる(ネイティブだから)という人間が多かったです。
その為、授業の方針などまともに決めることも出来ず(能力がないから)、英語ができても、その先の『教える』という行為ができないのです。
また、高いお金を払って先生のメールアドレスを取得したにも関わらず、その先生から一切返信が無かったり、仮に返信があったとしても『今は教えない』とふざけた事を言うものもおり、しまいにはメールが返ってきたかと思いきや、『もう今月末に自分の国に帰るから教えられない』という人間までいます。
誠に自分勝手極まりないのですが、それを放置しているのが仲介業者であり、単に個人情報の受け流しのみを業とし、その後の先生と生徒の関係に関しては完全にノータッチであることから、先生側も言いたい放題・やりたい放題なのが現状です。
以上より、人間的にまともな人は少ないというのが管理人の見解です。
カフェレッスンの問題② 質が低い割に高い(ぼったくり)
2番目は授業料が高いということです。
これは単に絶対的な金銭的価格が高いと言っているのではなく、その『質』に対しての授業料が高いといっているのです。勿論、有名英会話教室のマンツーマン授業に比べたらそれは安いでしょう。
なぜなら、そういう場所は先生の質、勉強時の環境、個別サポート等が担保されているからです。
管理人の場合、1時間で5000円を払って授業を受けていました。逆に言うと、5000円以上を要求する先生には一切お願いしなかったのです。先生としては楽です。生徒とカフェで美味しいドリンクを飲みながら喋って自分の知識を垂れ流しているだけでお金が入るのですから。
個人的にはそのお金で良質な参考書を購入した方がよっぽど自分のためになると思った次第です。
カフェレッスンの問題③ 授業料は先生のポケットマネーに
授業料を銀行振込やクレジットで切れる対応にしている先生は非常に少なかったです。
基本的にその場での受け渡しということになっていました。ここが結構問題です。この『手渡しでの現金』というのがこの世で最も嬉しいお金の貰い方です。
なぜなら、税務署がお金の流れに関して把握できないからです。
その年に事業収入が発生した場合、控除とか細かい話を抜きに、確定申告をする必要がありますが、日常的にこの仕事を続けて本業にしている先生は確定申告などしないでしょう。手渡しなのですから、分かりようがない為、わざわざ収入を律儀に申告する必要がないからです。
管理人は、自分で言うのもなんですが真面目な人間なので、この『脱税に加担してる感』が非常に嫌だったのです。
カフェレッスンの問題④ 無責任極まりない仲介業者
さて、上記でも述べたように、仲介業者は基本的に無責任です。
完全に先生の情報を売ることだけが仕事のため、その後のサポート等一切ありません。先生から返信が無かった場合の返金保証等もありません。悪徳商法の部類に入ってもおかしく無い状態です。
勿論、免責事項があったとしても、事前の契約画面で先生から返信が無かったことに対する異議申し立てをしない旨の取決めが無い限り、詐欺取り消しが可能というのが民法上の考えですが、結局は訴額が少なくなるので、法的措置を取る者もおらず、大部分が泣き寝入りとなってしまうのです。
実際に『ちゃんと先生と会えるか』ということ、もっと言うと『ちゃんと先生が存在するか』ということに関しては完全に未知の世界となるので、その点も考慮して申し込まなければなりません。
先生の情報を買った後に何かトラブルが起きた時は、仲介業者は一切関与してこないということを肝に銘じておきましょう。
カフェレッスンの問題⑤ カフェに迷惑
根本的な話がこれです。
管理人は、スターバックスというシアトル系のカフェで4年ほど働いていたのでよく分かりますが、カフェレッスンをしていると一目でわかります。明らかに『レッスン』をしているからです。これはカフェで働いている人だったらすぐに分かるかと思います。
本来であれば、先生はしっかり場所を構えて仕事をすべきだというのが管理人の個人的な考えです。カフェを自分の仕事場にしようというのは余りにも傲慢であると言わざるを得ません。
こんなケースがありました。
スタバで管理人がコーヒーを飲んでいると、先生らしき人(その時は日本人)とその受講生が隣に座ってきました。管理人はカフェレッスンを見抜くのはプロになっているので、すぐにレッスンであると理解できました。
1時間程度たった頃でしょうか。先生がまた今度の日程を聞き、次のレッスンの約束をしてその生徒はお礼を言って去っていきました。
するとすぐに別の生徒がやってきて座るではありませんか。
そう。この先生は完全にカフェを職場にしていて、生徒を代わる代わる交代させて授業をしていたのです。さすがにこの時はびっくりしました。この行為ははっきり言って、お店からしたら迷惑でしかありません。カフェを職場にしているのですから。
カフェレッスンを有効活用できる条件
さて、ここまでカフェレッスンの弊害について述べてきました。上記の通り、管理人はカフェレッスンは基本的にオススメしません。
では、カフェレッスンを有効活用できるようなケースとは、どのようなものがあるのでしょうか。
留学後のメンテナンス
まずはこれでしょう。留学をしていてある程度英語が話せる人が帰国した際に、日本では英会話をする機会がないのでネイティブとカフェで会話するというものです。そのような人達は、すでにある程度英語が出来上がっているので、帰国後のメンテナンスという意味で定期的に英語を使って、錆びないようにするのがおすすめです。
英文のネイティブチェック
もう一つはやはりこれでしょうか。
英文のネイティブチェックをしてもらう時に単発でお願いするというものです。
大学生であれば、学校のネイティブの先生やネイティブの教授に指導してもらうというのがありますが、一般人であればなかなかそのような環境が見つからず、難しいでしょう。
そのような場合にカフェでささっと英文のチェックをしてもらうのです。
言語というのは、英語に限らず『文法的には合っているんだけどそうは言わない』というものが沢山存在します。こればっかりは非ネイティブは分からないため、より自然な英語にするためにも、有効活用してみるのもひとつの方法だと思います。
まとめ【やっぱりカフェでレッスンは迷惑】
カフェレッスンというのは、ここ最近10年くらいでよく見かけるようになった光景です。
スタバやタリーズなどのカフェで、レッスンをしている人たちの姿は、確かに頑張っている感はあるものの、本当に身になっているかは微妙です。
この手のビジネスは、いまや完全に定着していますが、本質を見極めれば、明らかにおかしいことに気付くでしょう。カフェレスンにはそれなりにコストがかかり、レッスン料金も高くつきます。
その分をよっぽど他の自己投資に回した方が良いのではないでしょうか。
ということで、今回はカフェレッスンの弊害についてお伝えしました。勿論、カフェレッスンで劇的に効果がある人もいるかもしれませんので、一概には言えませんが、当サイトとしてはオススメできません。
今回も最後までお読みいただき、ありがとうございました。