カナダのチップ文化を攻略!留学や旅行前に知っておきたいチップ事情

カナダは留学先や旅行先として人気の高い国の1つです。

カナダと日本では様々な文化の違いがありますが、なかでも我々日本人を困らせる異文化といえば、チップ文化ではないでしょうか?

カナダはチップが必要って聞いたことあるけど、いつ、いくら払ったらいいの~!

と思っている方も少なくないと思います。

そこでこの記事では、2021年からカナダに住んでいる私が、『カナダのチップ文化を攻略!留学や旅行前に知っておきたいチップ事情』というテーマで以下のことについて紹介します。

  • チップ文化とは何か?
  • カナダでチップが必要になるのはどんなとき?
  • カナダでチップを払わなくていいときは?
  • チップの支払いって義務なの?

これからカナダに行く方の参考になると嬉しいです。それでは早速見ていきましょう。

目次

そもそもチップとは何?チップ額の相場も紹介

チップは英語でTipと書き、チップ文化はTipping Cultureと呼ばれています。

英語での発音はチップというよりティップって感じ。

チップ制度は主にアメリカやヨーロッパで始まり、基本的にはサービスを提供してもらったことへのお礼として支払うものとされています。

サービスの質によって、客がチップの額を決めることができることが特徴です。

なお「海外に行ったらチップが必要」と思っている人も多いかもしれませんが、実際はチップ制度のある国は限られています

アメリカとカナダはチップはまず必須。ヨーロッパでは義務ではないけど、感謝の気持ちを示す場合に一部必要。中国や韓国は、日本と同じようにチップ文化はないね。

また、チップがもらえる職種(レストラン等のサービス業)では、基本給に加えてチップ収入もあることから、時給が低く設定されている場合が多いです。

気になるチップ額の相場ですが、現在のカナダではお会計の15%~22%くらいと言えるでしょう。かなり幅がありますが、これはカジュアルなレストランならば相場は低め、高級なレストランならば相場は高めになるからです。

以前はチップは10%でオッケーという時代もあったけど、今はどんどん上がっている。

細かい場面ごとのチップ相場は、後ほど紹介します。

カナダでチップが必要になるのはどんなとき?

チップって日本にはない文化だから、どんなときに払うのかよくわかんないよ!

という方も多いかもしれませんので、続いてはチップを支払うべき場所を確認していきましょう。チップを払うのは、主に以下のようなところです。

  • レストランなどの飲食店
  • カフェ
  • 美容院などのサロン
  • タクシー
  • ホテル

それでは1つ1つを詳しく見ていきましょう。

レストランなどの飲食店

チップを支払う定番の場所といえば、レストランですよね。

レストランではウェイトレスから料理の提供をはじめとするサービスを受けるので、店内で食事をした際はチップは必ず支払いましょう。

レストランなんだから料理を提供されるのは当たり前じゃん!と思うかもしれないけど、北米ではそれに対してチップを支払う必要があるのだ。

レストランのレベルにもよりますが、相場はだいたい15%~22%です。カジュアルなレストランならば15%~20%、少し高級寄りであれば18%~22%といった感じです。

2000年以前は10%のチップが相場だった時代もありますが、現在ではサービスが悪かった際に10%のチップを選択する人が多いので、サービスに問題がなかった場合は最低でも15%は支払うことがおすすめです。

YUKI

サービスがいまいちだった場合、理由を伝えて低い額のチップを残す人が多いです。私自身も飲食店で働いた経験がありますが、チップを一切支払わないという人はほとんど見たことがないですね。

カフェ

カフェでの飲食時も、チップを払いましょう。ただしカフェはレストランとは違い、レジで注文をして、自分で食べ物や飲み物を持って席に着きますよね。さらに食器の返却も、客が自分で行う場合が多いです。

そのため、支払うチップはレストランよりも少なくてOK。相場は10%~18%くらいです。

YUKI

サービスを受けないカフェでチップを払うのは不思議な感じではあるんだけど、カフェではチップを払うのが普通。私はカフェでパソコン作業などをして長居するときは、ちょっと多めに支払います。

美容院などのサロン

美容院、ネイルサロン、マッサージ店などのお店でもチップを支払います。

これらのお店はサービスそのものが商品なんだから、サービス代としてチップ払うのは不思議じゃない?とこれまた思うわけですが、サロンでもチップを支払うのが常識です。

相場は15%~20%くらいです。こういったサロンは、そもそもの料金が高いので、チップを含めると総費用はけっこう高くなります。例えば美容院のカットとカラーで250ドルであれば、プラス15%のチップで287ドルくらいですね。

サロンに行くときは、チップの値段も考えてトータルの料金を計算すること!さもないとお会計時にびっくりするから…

タクシー

タクシーを利用した際もチップを支払いましょう。相場は15%~20%です。

早い道を探してくれた、車内での会話が楽しかった、空港まで急いでくれたなど、良いサービスを受けたと思った場合は少し高めのチップを払うことが好まれます。

ホテル

ホテルに宿泊する際もチップを支払います。ホテルでのチップは、以下の場合で必要になります。

バレーサービス(駐車代行サービス)高級ホテルに限るが、車を受け取るタイミングで数ドル
ハウスキーピング部屋の清掃が入る前に数ドルを枕元に準備
ベルボーイ部屋まで荷物を運んでくれた際に数ドル渡す(荷物の量にもよる)
ルームサービス部屋まで食事を運んでくれた人に数ドル渡す
コンシェルジュ宿泊者の様々なニーズにこたえる仕事、コンシェルジュ。レストランやイベントの予約をしてくれたり、難しいお願いに応じてくれたときはチップを渡す

他にも、ホテル内のレストランカフェバーでもチップが必要です。

なおチェックアウトをして宿泊代を支払うときは、チップを払う必要はありません。

Uber(支払わない人も多い)

Uberには、食事のデリバリーサービスUber Eatsと配車サービスUber Rideがあります。どちらも利用後に、アプリ内でチップを支払うオプションが表示されます。

YUKI

個人的にはいつもチップを払っていたけど、実際は払わない方が多数派みたい。

悪天候時に利用した場合は、チップを払うほうがいいかなと個人的には思っています。

チップを払わなくていい場合もある?

チップっていつ払うんだ…よくわかんないからとりあえず払っておこ

なんてやっていると、無駄にお金をどんどん失ってしまいます!

私もチップを払わなくていい場面で払ってしまったり、相場を知らずに高いチップを渡してしまったりしてきました。

というわけで続いては、チップを払わない場合についてみていきましょう。

ファストフード店

スターバックス、マクドナルド、サブウェイなどのファストフード店では、チップは必要ありません

接客などのサービスを提供する店ではないのがその理由ですが、「じゃあ同じ形態のカフェはなんでチップを払うねん」と個人的には思います(笑)

同じくフードコートの店でも、チップは必要ありません。たまにチップの選択画面が表示されますが、No Tipを選択しても大丈夫です。

テイクアウト(支払う人もいる)

先述の通りチップはサービスへの対価なので、本来テイクアウトのオーダーにはチップを払う必要はありません。しかし、最近はテイクアウトでもチップを払う人が増えてきているようです。

カナダでは普通のレストランでもテイクアウト対応をしているお店が多いことや、コロナ禍で飲食店の従業員を助けようと多くの人がチップを支払い始めたことがその理由として挙げられます。

YUKI

私はテイクアウトのときは少し額を下げて10%にしています。カジュアルな店やファストフード店ではテイクアウトの場合は支払わないこともありますね。

その他チップを支払わなくてもいいところ

他にもチップを払わない場所は、以下の通りです。

スーパー、コンビニ、酒屋、アパレル、ギフトショップ、薬局、病院など

ただし最近は様々な場所で、支払いをするマシンにチップの選択画面が表示されるようになりました。

YUKI

私のよく行く酒屋ではいつもチップの画面が出る!払わなくて問題ないけど、買い物してるだけだからちょっとびっくり。

チップの選択画面が表示されたからといって、チップを払わないといけないわけではありません。

旅行前に!気になるチップの支払い方をチェック

チップってどうやって払うんだろう?やっぱりスマートに払いたいよね。

日本にはないチップ文化。その払い方に不安を抱えている方も少なくないと思います。

今回はカナダでチップを払う方法について、クレジットカード現金の2つの場合に分けて紹介します。

ちなみに同じ北米でもアメリカでは支払い方が違います。今回はあくまでもカナダの場合を紹介します。

クレジットカードで支払う場合

クレジットカードで支払いをする場合、カナダではこのようなマシンを使います。マシンの種類はお店によって異なります。

レストランでは店員さんが自分のテーブルにこのマシンを持ってきてくれるので、基本的にはすべてテーブル会計です。

マシンを操作すると、このようなチップ額の選択画面が出てきます。

ここで、自分が支払いたいチップの額を選びましょう。

基本的には%表示。〇%支払うといくら、というのが書いてあるのでわかりやすい!

Custom Amountというところを押すと、自分の好きな%や具体的なチップ額を選ぶこともできます。No Tipを押すとチップ無しで支払いが進みます。

チップを選択し支払いを完了すれば、クレジットカードでのお会計+チップの支払いは完了です。

クレジットカードだけでチップは払える!別で現金を用意する必要はないんだね。

現金で支払う場合

現金でチップを支払う場合、自分でチップ額を計算する必要があります。例えばお会計が85ドルだったら、15%はだいたい12ドルなので97ドルを用意する…という感じです。

YUKI

私だったらこういう場合、100ドルを渡して“Keep the change.(お釣りは要りません)”と言います。お釣りが出なくて楽。

また、お会計が65ドルで100ドルしか持っていないような場合には、100ドルを渡して“20ドルだけ返してください”と言うこともできます。もしくは全額お釣りを返してもらって、チップ分だけテーブルに置いて帰るという人もいます。

YUKI

現金でチップを払う場合は、自分で計算しないといけないこととちょうどいい額の現金を持っているかどうか考えるのがちょっと面倒!

なおカフェなどでは、

このようなチップ入れがレジ横に置いてあることがあります。

余った小銭などはこのチップ入れに入れて消費することも可能です。

ちなみにカナダはカード社会で、普段の生活で現金を使う人の数は非常に少ないです。

チップって払わないといけないの?→義務ではないがほぼ必須

チップって任意なんだよね?任意なら払いたくないんだけど…

と考える人がいるのも自然なことです。チップを払わないといけないのかということですが、結論は…

義務ではないが基本的には必須で払う

です。チップを払わない人は、ほとんど見たことがありません。「チップが払えないんだったら外食するな」という意見もたまに耳にするほどで、カナダではチップはほとんど義務化している印象があります。

飲食店で働く従業員は最低賃金しかもらっていない場合が多く、生活費の多くをチップ収入が占めています。また、チップがある分質の良いサービスを受けられるというメリットもあります。

とはいえ、サービスの質がひどすぎ!こんなのにもチップを払わないといけないの?と思うこともたまにあります。

そういった場合はチップ額を下げる(10%程度)か、理由を告げてチップを払わないということもできます。

The vast majority appear to have extreme tip fatigue – both with expectations around gratuity amounts and with the extent of services that now prompt for a gratuity,” officials said in a news release.

引用:How much do you tip? Study says Canadians are ‘annoyed’

上記の引用にあるように、とあるカナダのニュース記事では、人々のチップ疲れについてまとめられていました。チップへの期待や、チップを払わないといけないサービスの増加が、人々を苦しめているようですね。

チップ文化のあるカナダですが、チップ制度に反対する人も実は少なくありません。

【まとめ】チップ文化を正しく理解して楽しいカナダ観光を!

というわけで、『カナダのチップ文化を攻略!留学や旅行前に知っておきたいチップ事情』というテーマで記事を書きました。

カナダはチップ文化の根強い国なので、飲食店利用時やホテル、タクシー利用時はチップを忘れずに払いましょう

チップの払い方がわからない場合は、素直に“Could you tell me how to tip?(どうやってチップを払えばいいですか?)”と聞けば大丈夫です。カナダの都市部は観光客も多いので、チップのやり方がわからなくても恥ずかしがる必要はありません!

チップ文化をしっかり理解して、カナダ観光を楽しんでくださいね!

ここまでお読みいただきありがとうございました。

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この記事を書いた人

里見 優希のアバター 里見 優希 EARTHIANS WRITER

カナダ在住。中学生のころからアメリカやイギリスのロックミュージック、映画などにハマり、英語に興味を持ち始める。大学生のころにハワイ、ニュージーランドへ1カ月の短期留学へ行くなど継続して英語の勉強を続け、2020年にTOEIC855点取得。新卒で入った仕事では主に国際関係の業務を担当し、英語で会議やアテンドを行う。2021年に日本での仕事を退職しカナダへCoop留学を決め、現在に至るまでカナダで仕事をしながら生活をしている。

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