留学に行くときは何か英語の資格が必要になるのかな?
留学前に英語資格の勉強をするなら何がいいかな?
と考えているみなさん。
留学の種類によっては高い英語力が必要になることもありますが、実際はどうなのでしょうか?
この記事では、『留学前に必要な英語資格は?カナダ在住者が役立つ英語資格&必要スコアを紹介』というテーマで以下のことについて紹介します。
- 留学にはどんな英語資格があるといい?
- 留学で必要になる英語資格は?
- 英語資格は取っておいた方がいい?
この記事を書く私は、カナダでCoop留学、ワーホリを経験し、現在はワークビザを取得してカナダの現地企業で仕事をしています。カナダで就学・就労を経験してきた私の体験も交えながら解説していきます!
必要な英語資格は留学目的によって異なる
留学前に何の英語資格の勉強をすべき?
という疑問に答えるべく、以下の留学目的別に必要な英語資格をチェックしていきましょう。
- 大学・大学院留学
- Coop留学
- ワーホリ
- 語学留学
なお、今回は主にカナダの留学プログラムを例に解説していきたいと思います。
カナダの大学(ユニバーシティ)進学をする場合
カナダにはカレッジ(日本でいう短大、専門学校)とユニバーシティ(日本でいう四年制大学)があります。
まずはカナダのユニバーシティに進学する場合に必要となる英語資格について紹介します。
カナダの大学入学時に英語力の指標として使われるのは、主にIELTS(6.5以上)やTOEFL iBT(88以上)などです。
大学によって有効とされる英語資格は異なりますが、日本では定番のTOEICや英検は通用しないことがほとんどなので注意しましょう。
カナダの有名大学を二つピックアップし、入学に必要な具体的な英語資格と必要スコアを見ていきましょう。
大学ランキングの参考:QS World University Rankings 2025: Top Global Universities | Top Universities
ブリティッシュコロンビア大学の例(世界大学ランキング47位)
英語試験 | 必要最低スコア |
---|---|
CAEL(Canadian Academic English Language assessment) | 70 |
ケンブリッジ英語検定 | 180 |
IELTS | 6.5(全パート6.0以上必要) |
TOEFLE / TOEFLE iBT | 総合:90 リーディング: 22 リスニング: 22 ライティング: 21 スピーキング: 21 |
トロント大学の例(世界大学ランキング25位)
英語試験 | 必要最低スコア |
---|---|
CAEL(Canadian Academic English Language assessment) | 70(全パート60以上必要) |
ケンブリッジ英語検定 | 180(全パート170以上必要) |
IELTS (Academic) | 6.5(全パート6.0以上必要) |
TOEFLE iBT | 89 (ライティング・スピーキングで22以上必要) |
すべての英語試験を受ける必要はなく、各大学が認定している英語試験のうちどれか一つを受験して十分なスコアを取得すればオーケーです。日本では馴染みのない試験が多いですが、自分の好きなものを選んで勉強しましょう。
Coop留学(カレッジ入学)をする場合
カナダ独自の留学プログラムであるCoop(コープ)留学。カレッジで専門的な勉強をしながら有給のインターンシップもできるプログラムということで、かなり人気の高いプログラムです。
カレッジはユニバーシティに比べると入学要件が低めで、学校及びコースによっても英語力の要件が異なります。その具体的な内容を見ていきましょう。
コーナーストーンカレッジ【ホスピタリティマネジメントコース】(バンクーバー)
英語試験 | 必要最低スコア |
---|---|
TOEFL iBT | 65-70 |
TOEIC | 750+ |
DUOLINGO | 95-100 |
IELTS | 5.5+ |
ILAC【セールス&マーケティング】(バンクーバー・トロント)
英語試験 | 必要最低スコア |
---|---|
IELTS Academic | 5.0 |
IELTSやTOEFLなど必要となる英語資格はほとんど同じですが、求められるスコアは比較的低めです。
例えばユニバーシティではおよそ6.5以上のIELTSスコアが必要だったのに対し、カレッジでは5.0ほどでも入学できる場合が多いです。
対応可能な英語資格は学校によって大きく異なるため、自分の行きたい学校に応じて試験勉強を行いましょう。
海外の大学に進学する場合は、世界中で通用するIELTSやTOEFLなどの英語資格を取っておくことがおすすめです。
ワーホリをする場合
ワーホリビザ取得の際には、英語力を求められることはありません。そのため必要となる英語資格は特にありませんが、現地で働くことができる実用的な英会話力が求められます。
なおTOEICを運営する国際ビジネスコミュニケーション協会が発表している『TOEICスコアとコミュニケーション能力レベルとの相関表』によると、
- 470点以上→日常生活のニーズを充足し、限定された範囲内では業務上のコミュニケーションができる
- 730点以上→どんな状況でも適切なコミュニケーションができる素地を備えている
とされています。
TOEICの点数はあくまで目安ですが、留学前にTOEICを受ける場合には指標となるスコアを目指してみるのもいいと思います。
語学留学をする場合
語学留学はそもそも現地に英語を勉強しに行くものなので、渡航前の英語力は特に必要ありません。
語学学校には基本的には入学要件は無いので留学前に資格を取得しておく必要はないですが、入学日もしくは入学前にレベル分けの試験を受けることが多いです。最低でも、中学英語レベルの基礎的な英語力を身に着けておくといいかもしれません。
英語力がゼロでも留学は十分楽しめますが、基礎的な英語文法は日本でも勉強できます。留学前から勉強を始め、語学学校ではよりレベルの高いクラスでより会話力を磨けるようにするのが効率的でおすすめです。
留学に使えるおすすめの英語試験を詳しく紹介
続いては、各英語試験の中身について詳しく紹介します。それぞれの試験の特徴や活かせるポイントを紹介します。なお、参考までに文部科学省が2016年に作成した各試験のスコア換算表を紹介しておきます。
IELTS
IELTS(International English Language Testing System、読み方:アイエルツ)は、アメリカ、オーストラリア、ニュージーランド、カナダ、およびイギリスを含む英語圏の国に留学、就労、移住を希望する人々の英語力を測定するグローバルな英語試験です。
IELTSではライティング、リーディング、リスニング、スピーキングの4つのパートで構成されています。
海外の大学・大学院留学に使われるアカデミックと英語圏への移住に使われるジェネラル・トレーニングの2つの種類のテストが存在しています。
なお、カナダの大学・大学院の入学要件として使われるのはアカデミックですが、カナダの永住権申請に必要となる資格はジェネラル・トレーニングです。
私は永住権申請のためジェネラル・トレーニングを勉強中!アカデミックとは教材が全然違うので、必要に応じて勉強しましょう!
TOEFL
TOEFLとは英語を母語としない人々を対象とした、英語能力を測定するための試験です。ライティング、リーディング、リスニング、スピーキングの4つのパートから構成されています。
160カ国以上13,000以上の大学や他の機関に受け入れられており、世界中で通用する英語資格の一つです。海外の大学・大学院留学に使われることも多く、アカデミックな内容のテストとなっています。
なおTOEFL iBTはInternet-based Testの略で、テスト会場でインターネットを使って試験を行う方式のことを指します。現在はほとんどがこの方式だそうです。
TOEFLは基本的にアメリカ英語!アメリカ英語に馴染みのある日本人にとってはやりやすいかもしれません。
DET(Duolingo English Test)
『Duolingo』という語学学習アプリをご存じの方も多いのではないでしょうか。DETはDuolingoが運営するオンライン英語試験で、近年人気が高まってきています。
世界5,500校以上の大学で利用されており、ユニバーシティ・カレッジなどの入学時に利用することができます。
他の試験と同じくライティング、リーディング、リスニング、スピーキングの四つのパートから構成されていますが、自宅でオンラインで受験でき比較的安価であることのが他の試験と異なる特徴です。
家でいつでも試験を受けることができ、他の試験と比べて安いので受験のハードルが低い!テスト時間もなんとたったの一時間です。
ケンブリッジ英語検定
ケンブリッジ英語検定の受検者は世界130カ国以上、年間250万人にのぼり、大学・企業・政府・省庁など20,000を超える世界中の機関に認定・活用されています。
日本ではまだまだ知名度の低い英語試験ですが、世界で通用する英語試験の一つであるケンブリッジ英検。
五レベル八種類の試験から成っており、日本の英検と同じくスコアではなくレベルごとに合格不合格で判定されます。
海外大学進学に必要なのは最低でもB2レベルとなりますので、大学進学の際はB2レベルを目指し勉強する必要があります。
TOEIC
日本で就活や昇進の際によく使われ、英語力の指標として知名度が高いTOEIC。
TOEIC Listening & Reading Test と TOEIC Speaking & Writing Test の二種類があり、一般的にはリスニングとリーディングの試験を受けることが多いと思います。
TOEICは日本での知名度は抜群ですが、実は海外ではあまり通用しないのが実情です。特に公立の大学や大学院ではほとんどの場合使うことができません。
カナダのいくつかの私立カレッジではTOEICのスコアを受け入れている場合もあります。自分の行きたい学校の入学要件を調べることは欠かせません!
また留学後に日本での就職・転職を考えている方は、留学後にTOEICのスコアを上げることを目標にするのもいいかもしれません。
近年のTOEICの動向についてはどんどん難化するTOEICに挑め!受験前に新傾向と対策方法をチェックしよう【過去最難関】の記事で詳しく紹介しています。
英検
英検は幅広い世代が受験する国内最大級の英語検定試験で、1級から5級まで、7つの級があります。試験内容は身の回りの日常会話から、教養を深める社会的な題材まで、実際に英語を使用する場面を想定し出題しています。
ライティング、リーディング、リスニング、スピーキングの4つのパートから構成されており、日常生活やビジネスで活用できる英語能力を測ることができます。
北米を含む約400の大学・カレッジが留学時の語学力証明として英検を認定しているそうですが、世界的な知名度は低いのが現状です。
私自身はカナダで日本の英検が使われているのを見たことがありません。英検はあくまでも日本内での英語力の指標と言えると思います。
カナダ留学中に英語資格は役立った?体験談を紹介
先述の通り、私はCoop留学→ワーホリ→就労ビザという流れでカナダに滞在しています。
Coop留学では現地のカレッジに入学をする必要があり、英語試験のスコアを提出しました。私の当時のTOEICスコアは855点でしたが、カレッジが設定する期限よりも前の成績だったため、新たにカレッジ独自の入学試験を受験しました。
様々な機関で使えるIELTSを受験しようと思いましたが、勉強する時間が足りず仕方なくカレッジの入学試験を受けました。
カレッジ独自の試験はオンラインで自宅からいつでも受験ができるもので、結果は無事合格。しかし英語力が足りなくてもカレッジの英語コースを一定期間受講すれば入学できるというシステムでしたので、あまり気負わず受験することができました。
しかし英語コースの受講には追加で費用がかかるので、あまりお金をかけたくない…という人は入学要件を満たすスコアを取っておくことがおすすめです。
とはいえ、現地での仕事探しの際には、特に英語のスコアを求められることはありませんでした。面接に呼ばれた際の会話力で英語力を測られることが多いため、試験のスコアはあまり関係がないように感じます。
実際に、試験では高スコアでも会話は全然できない…という人もいますしね。
現地で大学やカレッジに行くという方は、入学のために各種試験で高スコアを取ることが欠かせません。しかし私の経験上は、入学時以外に英語資格を利用したことは特にありません。
試験に関わらず、留学前から英語を勉強して現地で使える会話力を磨いておくことが大切だと思います。
【まとめ】留学目的によって必要な英語資格は異なる!
というわけで、ここまで『留学前に必要な英語資格は?カナダ在住者が役立つ英語資格&必要スコアを紹介』というテーマで記事を書いてきました。
留学にはこの資格が必要!これだけのスコアが必要!
という決まったものはありませんが、留学プログラムや入学したい学校によって必要な英語資格は異なります。
ユニバーシティ・カレッジ留学:IELTSやTOEFLが主流(ユニバーシティの方が高いスコアが必要)
ワーホリ・語学留学:英語資格は特に必要なし(会話力重視)
さらに、IELTSやTOEFLは世界的にも知名度が高く多くの教育期間等で使うことができるのに対し、TOEICや英検はどちらかというと日本国内での英語力の指標となっていることにも留意しておきましょう。
- 海外で通用する資格を得ておきたい→IELTS、TOEFL、ケンブリッジ英検がおすすめ
- 日本の就活や転職で活かしたい→TOEICがおすすめ
また、ワーホリで必要な英語力についてはカナダワーホリでTOEICは何点必要?職種別に必要な英語力も大調査【経験者が語る】の記事でも解説していますので、併せてチェックしてみてくださいね。
みなさんの留学を応援しています。