皆さんこんにちは!
本日はTOEIC700点の壁について書いていきます。
TOEIC700 点を目指すためのモチベを上げたい、効果的な勉強方法が知りたい人
TOEIC700 点を取得し、レベル感やどれくらいのアピールポイントになるのか知りたい人
日本での英語力を測る指標として、TOEIC は欠かせないものの1つです。
スコアによってどれくらいの英語レベルを有しているのかを判断することができますが、その中でも TOEIC700 点はどのくらいのレベルなのでしょうか?
「TOEIC700 点って高得点な気がする」「就職や転職、昇進にも有利って聞いたことがあるけどどうなんだろう?」という方へ向け、この記事では以下のことについて現役オンライン英語講師であり TOEIC855 点取得をしたことのある筆者が紹介していきます。
TOEIC700 点って高いの?英検や偏差値でレベルを調査してみた
国際ビジネスコミュニケーション協会(TOEIC の運営団体)が発表している TOEIC スコアとコミュニケーション能力レベルとの相関表(PROFICIENCY SCALE では、730 点以上の方はレベル B の「どんな状況でも適切なコミュニケーションができる措置を備えている」と定義されています。
これは上から2番目のレベルであり、通常会話は完全に理解できる、業務上も大きな支障はない、と記載もあることから英語力は高いと考えていいでしょう。このことからも TOEIC700 点は高得点の部類に入ると思いますが、ここでは様々な観点から700 点取得者は具体的にどのようなレベルなのかを見ていきましょう。
TOEIC700 点は平均点より上なの!?
まず初めに、TOEIC における満点は 990 点です。
2023 年度の平均スコア・スコア分布(公開テスト 平均スコア・スコア分布 一覧|TOEICListening & Reading Test 公式データ・資料|【公式】TOEIC Program|IIBC (iibc-global.org))によると、平均スコアは 612 点とのことでした。
つまり、TOEIC700 点は平均スコアよりも高いことがわかります。
TOEIC で 700 点以上取れる人は全体の上位 30%ほど!
国際ビジネスコミュニケーション協会のデータによれば、2023 年度は 695 点以上を取得している人数の割合は全体の 33.8%となっています。TOEIC700 点は、だいたい上位3割に属していると言えるでしょう。
ちなみにこれは日本人全体のスコアではなく、「英語を勉強して TOEIC を受けている人」の中での上位3割ですので、「英語を真面目に勉強している人の中でも上位に入る」と考えれば 700 点というのはなかなか高いスコアだと言えるでしょう。
TOEIC700 点は英検だと2級相当します!
文部科学省が 2016 年に作成したデータをもとに表を作成してみました。
TOEIC | 英検 |
945点 | 1級 |
785点 | 準1級 |
550点 | 2級 |
225点 | 準2級 |
120点 | 3級~5級 |
TOEIC と英検では出題形式も試験内容も大きくことなるため一概には言えませんが、一般的には英検2級相当と言われています。
しかし2級は 550 点から 785 点までとかなり幅があるので、700 点台の後半が取れているという方は準1級相当の実力があるでしょう。
1-4.TOEIC700 点は偏差値でいうと?
偏差値は、「(自分の得点-平均点)÷標準偏差×10+50」で計算することができます。では、TOEIC 第 363 回、2024 年8月 25 日午後の実施分のスコア詳細を見ながら計算してみましょう。
700 点を取得したとすると、(700ー604.4)÷172.6×10+50=55.538818…となり、偏差値はおよそ 55.5 ということがわかりました。これを大学に当てはめると、信州大学(教育・農・工学部)、三重大学(教育学部)、東洋大学(経済学部)、立命館大学(生命科学部)などが該当します。
もちろんこれはあくまでも TOEIC のスコアのみを当てはめただけですので単純な比較はできませんが、TOEIC700 点のレベルの目安としてご紹介します。
TOEIC で 700 点を取得する難易度が知りたい!
平均点や偏差値などで TOEIC700 点のレベル感を確認しましたが、実際に TOEIC で 700 点取ることはどれくらい難しいのでしょうか。
2-1.TOEIC は難しくなっているってほんと!?
TOEIC は 2016 年に問題が改定されており、そのころから問題が難化してきています。
前回TOEIC を受けたのが 2016 年以前だ、という方は出題傾向の変化や難易度の変化に驚くかもしれません。具体的には、以前には使用されていなかった難しい語彙の登場、状況把握をしにくいリスニング問題の増加などが言われています。
以前 600 点台だった人が 700 点を目指して久しぶりに TOEIC を受けたら、逆にスコアが下がってしまった!!ということもあり得るかもしれません。700 点を目指す場合には、必ず最新のTOEIC 情報をチェックしながら勉強を進めましょう。
2-2.TOEIC で 700 点を取得するためには何問正解したらいい?
TOEIC では、具体的なスコアの算出方法は公表されていません。そのため、〇問正解すれば 700点が取れるという明確なものはありません。しかし、問題集などにある換算表を参考にするとおおよそ 70%くらいの正答率が必要とされています。
TOEIC はリスニングの方が平均点が高い傾向にあるため、リスニングで 400 点、リーディングで 300 点を目安に考えておくと良いかと思います。
2-3.TOEIC で 700 点取得するために必要な勉強時間は?
必要な勉強時間は現時点での自分の実力によって異なります。オックスフォード大学出版局の資料(TOEIC Asia.indd (oup.com))によれば、現在 650 点の人が 750 点を目指すためには 225 時間の勉強が必要だと記載されています。
単純計算で 600 点の人が 700 点を目指す場合も、225時間程度必要と考えていいでしょう。
225 時間と聞いてもピンと来ないかと思いますが、1日2時間勉強したら4カ月ほどで達成することができます。そこまで無理のない目標設定ですね。
TOEIC で 700 点を取るメリットはある?700 点の人の英語力はどれくらい?
筆者自身も TOEIC で 700 点を取ったとき、やっと「英語が得意です」と言えるレベルになったかな?と感じた記憶があります。700 点を取ることで得られるメリットを知って、勉強のモチベーションを上げましょう!
【採用をゲット?】就活や転職でのアピール材料になる
国際ビジネスコミュニケーション協会が発表している「英語活用実態調査【企業・団体/ビジネスパーソン】2019」によると、新入社員に期待する TOEIC スコアは 425~645 点とされています(【【活用事例】新入社員の英語能力測定|団体のご担当者様|【公式】TOEIC Program|IIBC(iibc-global.org))。
700 点はこれを大きく上回っているため、アピール材料としては十分でしょう。
【英語ができるポジションに】海外勤務や海外担当部署など仕事の幅が広がる
こちらも同じく「英語活用実態調査【企業・団体/ビジネスパーソン】2019」によると、海外部門の社員に期待する TOEIC スコアは 570~810 点とされています。700 点ではハイレベルなビジネス英会話は難しいかもしれませんが、海外出張のできる業務上必要な英語レベルに達しているとみなされることが多いでしょう。
また、努力して勉強をして 700 点を取得した人は、今後も勉強をして英語力を伸ばすことができる人だと思ってもらえるので、海外出張・赴任者を選抜する際などに有利に働くかもしれません。
【年収アップも!?】昇給・昇進につながる
TOEIC を指標とした英語力を昇給・昇進の「要件としている」「参考としている」「新たに要件・参考とする可能性がある」としている企業も少なくありません。
【活用事例】昇進・昇格の要件|団体のご担当者様|【公式】TOEIC Program|IIBC (iibc-global.org)で紹介されている例としては、
A 社/建設・土木 | 係長・主任への昇進・昇格には 650 点が必要 |
C 社/食品 | 係長・主任、課長への昇進・昇格には 600 点 |
D 社/電機・精密機器 | 係長・主任へは 650 点が必要 |
F 社/商社 | 商社 昇進・昇格には 700 点が必要 |
などが挙げられています。
【会話力も磨ける】英会話を伸ばすうえで必要な知識が身に着く
「TOEIC ができても、実際の英会話はできない人が多い」なんて話を聞いたことがある人も多いのではないでしょうか?実際に私の周りでも、TOEIC は 900 点近いのに会話になると上手に話せないという人は珍しくありません。
しかし、それは単に英会話の練習量が少ないだけで、TOEIC で 700 点も取れるレベルの人は練習をすれば会話力を身に着けるのは難しくないと思います。
TOEIC700 点取得に必要な単語数は約 4,500~5,000 語と言われていますが、一般的な英語ネイティブが会話で使う単語数は 3,000~4,000 語だそうです。
つまり、700 点が取得できれば会話するのに必要なだけの単語の知識が身についていると言えるため、練習すれば英会話力の伸びも期待できます。
【ちなみに…】700 点レベルの人のリアルな英会話力は?
この記事を書くにあたって、私自身が TOEIC700 点台だったころを思い出してみました。
当時は大学生だったので、短期留学に行ったりオンライン英会話をしたりと英語勉強について色々と試行錯誤していましたが、正直英会話力は中の中といったところ。
短期留学での語学クラスはちょうど真ん中くらいのレベルで、簡単な会話、短文は話せるけれど長文を話すことは難しく、複雑な話題や自分の意見を細部まで伝えることはできないといったくらいでした。
また、当時の私はネイティブ同士の会話に入ったり、ネイティブと円滑にコミュニケーションを取ることはほとんど不可能でした。とはいえ先述の通り会話に必要な知識は十分にあるため、700 点レベルの人の会話の流暢さは人によって大きく異なると思います。
会話の練習を継続して慣れていけば、700 点でも十分な英会話力が身に着けられるはずです。
TOEIC で 700 点を取るための対策と効率のいい勉強方法を教えます!
それでは、TOEIC で 700 点を取るためにはどうしたらいいのでしょうか?ここでは私が 700 点
を取得した時のことを思い出しながら、勉強方法を紹介していきたいと思います。
対策1:語彙力を増やす→TOEIC 特化の単語帳を利用
TOEIC では語彙力が物を言います!「この単語の意味さえわかっていればこの問題できるのに~!」と思った経験、みなさんもあるのではないでしょうか?単語の暗記はスキマ時間に一番気軽にできる TOEIC の勉強の1つです。英語学習アプリの利用や TOEIC700 点台に特化した単語帳を利用して、効率よく単語を覚えていきましょう。
筆者は小さい紙に単語を書いて、部屋中に貼るという力技をしたことがあります(笑)部屋の中を移動するたびに単語が目に入るので、なかなか効果的でしたよ。
対策2:英文を読むスピードを上げる→時間を測って練習
私が制限時間内に全問解き終えることができるようになったのも、700 点を取得したときからです。最後まで行き着くことができないと、本来はできたかもしれない問題を落とすことになってしまいもったいないですよね。
TOEIC は TOEIC L&R はリスニング(約 45 分間・100 問)、リーディング(75 分間・100 問)、合計約 2 時間で 200 問に答える問題形式です。家で問題集を解く際は、この 75 分間を測って本番同様の時間配分で練習をすることがおすすめです。
例えばリーディングは、以下のような構成です。
Part5 短文穴埋め 30 問
Part6 長文穴埋め 16 問
Part7 1つの文書 29 問
複数の文書 25 問
Part7 の問題に1問1分かけるとすると、Part7 を解くだけで 54 分必要なことがわかります。となると Part5、6 の計 46 問を 21 分で終わらせる必要が生じます。TOEIC の問題を解く際は、「3分でこの文書を読み切って問題にすべて答える」「短文 30 問を 10 分で解き切る」といった時間制限を設けて行うことが効果的です。
対策3:リスニングの精度を上げる→シャドーイング・ディクテーション
TOEIC ではリスニングの勉強も欠かせません。リスニングを勉強する際におすすめしたいのが、シャドーイングやディクテーションといった勉強法です。シャドーイングは、聞こえた英文を少し遅れて声に出すというものです。相手が何を言ったかがしっかりとわかっていないと、真似して話すことはできません。
シャドーイングをすることで相手が言ったことを正確に聞き取ることの練習ができます。また、実際に口に出すことで英語のリズムや発音にも慣れることができます。
ディクテーションは聞こえた英文を書き取る勉強法です。こちらも正確に聞けていないと文字に書き起こすことはできません。どのような文法で話されているのかを考えながら文字に起こすことで、英文の理解力を身に着けることができます。
私はスクリプト付きのリスニング教材を購入し、スクリプトを見て自分の聞き取った英語が合っていたかどうかを確認していました。
【まとめ】TOEIC で 700 点が取れたら、次は 800 点を目指そう!
TOEIC で 700 点が取れた!というみなさん、おめでとうございます!
TOEIC700 点は仕事の場でも通用する十分高い得点ですが、まだまだ上には上がいます。さらにハイレベルな仕事がしたい、海外で働きたい、そんな夢をかなえるためにぜひ次は 800 点を目指してみましょう!
TOEIC800 点越えは上位約 17%に入る決して簡単ではないレベルですが、勉強をすれば誰でも不可能ではありません。
私自身も 500 点台からコツコツ勉強を続け、800 点を越えるまでスコアを伸ばした経験があり、現在は 900 点越えを目指して日々勉強しています。
一緒に英語の勉強をがんばりましょう!最後までお読みいただきありがとうございました。