TOEICという試験があります。
国内のビジネスマンを中心に、幅広い世代が受験する英語資格です。2020年現在、すべての世代において英検と並ぶ超有名資格であり、毎年受験者は増加の一途を辿ります。
受験会場の違う友達と試験終了後に直前のTOEICについて答え合わせみたいな事をしている時に『あれ、私そんな問題あったっけ??』『いや、確かにあったよ!』みたいなことがあるかと思います。
TOEICを長年受験されている方でも知らないことが多い事実のひとつに、『TOEIC公開テストの問題にはいくつかの種類パターンが存在する』ということが挙げられます。ある意味トリビアみたいな要素が含まれる話なので、知らないからといって何か問題になるかというと全く問題になりません。
私自身も数年前までその事実を知りませんでした。大学2年生の時には『TOEIC』という科目の授業がありましたが、そんな話は一切ありませんでしたし、民間の自称『TOEIC講師』(最近やたら増えている)の皆さんもそのようなお話はしてくれませんでした。
実はTOEICのテスト問題というのは、『テストフォーム』”TEST FORM”と呼ばれ、いくつかのパターンに分かれています。このフォームが分かれていることによって何かメリットやデメリットは発生するのでしょうか。また、フォームの違いによる有利不利は存在するのでしょうか。
TOEICの『フォーム』ってたまに聞くんだけど話についていけないな・・・。一体何のことなんだろう。
本記事では、こんな疑問にお答えします。
もし皆さんが今後トーイッカーを名乗るのであれば、必須の内容になっています。
TOEICのフォーム(テスト問題)は2種類以上存在する
導入で述べたように、意外と気付かない事実なのですが、TOEICの問題は1種類だけではなく、2種類以上存在します。なぜ『以上』という言葉を使ったかというと、以前は3・4種類あった時もあったからです。フォームの数についてはETSの正式な発表はありません。2006年5月から試行されている所謂『新形式』(2016年のではなく)のTOEICでは3・4種類(5種類という話も聞きます)使われたということで、TOEIC界隈ではザワザワしていたらしいですが、現行のTOEICはだいたい2種類であることが多いので、ほぼ2種類であると思って良いと思います。
さて、実はこの2種類のフォームにはそれぞれ名前があり、『メジャーフォーム』と『マイナーフォーム』と呼ばれています。
この2つのフォームのでは、約40%が共通の問題で構成され、残りの約60%は別の問題が使われている(所説あり)と言われています。従って、最初にお話したように友達と試験問題について話をしていて明らかに問題が異なる場合は、お互いが違うフォームを受験しているという推測が働きます。
ちなみに、このフォームの呼び方に関してはTETSや国際ビジネスコミュニケーション協会が発表している正式な名称ではなく、先輩TOEICerの方々の間で広まった呼び方です。運営元の正式な発表は一切無いので感覚的な話になりますが、各フォームにおける受験者数の比率は、
くらいであると思われます。当たり前の話かもしれませんが、受ける人数が多いので『メジャー』、受ける人数が少ないので『マイナー』という呼び方をします。
TOEICのフォームにおける受験地による差異
このTOEICのフォームがどの単位で異なるのかというのがよくある疑問です。TOEIC公開テストが全国津々浦々で開催されていることは皆さんもご存知かと思いますが、東京と名古屋ではおそらく問題が異なることが多いと思います。また、名古屋と大阪でも異なるでしょう。
ただ、県ごとにフォームが決まっているかというとおそらくそういうことではなく、各会場単位で決まっていると考えられます。従って、東京と名古屋で異なる時は、地域が異なるから受験するフォームが違うというより、会場が異なるからフォームが違うのだと思われます。つまり、大阪であろうが東京であろうが北海道であろうが名古屋であろうが、同日に受験する以上同じフォームに当たることもあればそうでないこともある、ということです。(これには所説あります)
私のケースだと、周りの話を話を聞く限り、県内においてはフォームの違いがあまりみられないような場合が多いです。この辺りは完全にブラックボックスになっているため、運営元しか事実を知りませんし、受験者でその秘密を知ることは絶対にできないのです。
自分が受験したTOEICフォームの判断方法
では、自分が一体どちらのフォームを受験したのかを判断する方法はあるのでしょうか。実は時代によって判断方法というのは異なります。
2016年以前の旧形式のTOEIC
よくあるTOEICの解説ブログ等で書かれていることですが、解答用紙の番号や色で見分けるというものがありました。まず、番号での見分け方です。問題冊子の表紙の右上にアルファベットや数字のコードが記載されているのですが、最後の数字が小さいほうがメジャーフォーム、大きいほうがマイナーフォームという感じで判断するものです。このアルファベットと数字は毎回変化するものでした。
これに関してですが、そもそも問題冊子はテスト終了後即座に回収されるため、こんな意味の無い番号やアルファベットの羅列を覚えなければなりません。しかし、そんなことやっている暇は恐らくどこにもありません。
もう一つの方が有名ですが、解答用紙A面(解答をマークするほう)の色で判別するというもの。この部分がピンク色であればメジャーフォーム、薄緑色であった場合はマイナーフォームという括りです。
2016年5月以降の新形式のTOEIC
2016年5月以降の新形式のTOEIC以降、以前使用していた判断方法は一切使えなくなりました。現行のTOEICに形式が変わってから、今まで表示されていたフォーム番号が無くなってしまったのです。フォーム番号が消えてしまったことで、答え合わせをしてどのフォームがどのようにリサイクルされているのかを分析するというTOEIC講師の方々がやられることができなくなってしまいました。(私は基本的にやる気なし)
そこで、このコード番号のかわりに登場したのが謎のQRコードです。新形式のTOEICIPでもこの謎のQRコードが使用され、番号が消えています。従って、このQRコードのリーダーを持っている人だけが解読できるという状態になっています。
管理人も色々有識者を当たってみましたが、現時点ではフォームの解読方法は存在しないということになります。
TOEICで複数のテストフォームが使用される理由
同じ日の同じ時間帯に試験をやるのだから、何も無理をして複数の問題を用意しなくても良いような気がします。では、なぜ運営元は2種類以上の問題を準備して受けさせるのでしょうか。
これに関してもやはり諸説ありますが、いくつかの要因が考えられます。
理由① 再現答案の禁止
まず大きな理由としては、再現答案の禁止が挙げられるでしょう。というのも、TOEICではどんな問題が出題されたかということを再現する行為を禁止しています。(勿論、傾向とかを語るのは問題ない)
もし、一斉に同じ問題を受験すると、どういう問題が出題されたかということを再現される確立が非常に高くなります。そんなことできるの?という話ですが、何も1人でやるわけではなく、大量の人数を利用してそういうことを行えば可能であるということです。例えば、
『AさんはPart1の選択肢を2問再現して頂くので覚えてきて下さい』
みたいな感じです。これを大勢の人間で行えば容易に可能なのです。
また、TOEIC自体限られた単語や熟語を使用していますし、ビジネスに特化した英語表現を用い、リスニングやリーディング問題に関してもよくあるシチュエーション(歯医者のアポは変更みたいな)で想定される状況がかなり狭い範囲に限定されている中で、毎年10回も同じ問題で受験をさせていると、運営元にとっては謂わば『ネタ切れ』状態になります。
従って、どんどん新しい問題を作っていかなれればならないのですが、あまりに難しい、難易度が乖離している問題を作成するとバッシングを受けるので、ある程度新しいパターンを試す機会として少しずつ出題しているものと思われます。TOEICの問題の難易度を一定にしなければならないけれども、同じ問題ばかりだとネタ切れになってしまうので様子をみているといった事情もあるでしょう。
試した問題は結果に合わせて難易度等を微調整し、またどこかでリサイクルして出題するといったことを行っていると考えるのが妥当です。
理由② テストの品質を保証するため
簡単に言ってしまうとデータをとるためです。TOEICは就職や昇進といったかなり信頼が必要な場において、その人の能力を示す指標として現在活用されているのは紛れも無い事実です。
そんなTOEICにおいて不正や信頼を失墜させるようなことがあってはなりません。その為には傾向を把握されないような仕組みが必要であり、毎回誰が受験しても、その人の英語力が正確に測定されなければなりません。そういったことを考えると、やはりビッグデータというのは確実に必要になってきます。どの問題が正答率が低いのか、受験者が間違えやすい問題は何か等のデータを緻密に集めるためにも、複数のフォームを利用して多用多彩なデータの収集を行っているものと思われます。
このように、TOEICがこれから何年も続いていくテストであることを考えると、データの収集に関しては一番力を入れていかなれればいけないポイントなのかもしれません。
スコアへの影響と有利不利
フォームの違いについてはお分かり頂けたかと思います。結局、現在はフォームの違いを判別する方法は存在しないものの、いくつかのフォームが使われていることは確かな事実です。問題が違うということはTOEICのスコアに影響は出ないのでしょうか。難しいフォームに当たったら、スコアが下がってしまうような気がしてしまいます。スコアの恒常性が担保されているかが問題になります。
この点、フォームの違いによるスコアの相違に関しては相関関係が無いと思われるので安心して下さい。問題の難易度は結果に影響しないようなスコアになるはずです。なぜなら、TOEICは統計学の専門家が参加し、相当高度な統計処理を行ってスコアの微調整をしているからです。
TOEICは1問何点と明確に決まっているわけではなく、受験者の得点分布を見ながら点数を調整するものです。従って、メジャーフォームとマイナーフォームで有利不利が決まるようなスコアとはならないのです。
ただ、TOEICにおける素点処理でない有名な例として、各Partで495点満点を取る場合に、必ずしも全問正解しなくて良いという話があります。満点を目指そうと思った時に、メジャーに当たっているかマイナーに当たっているかで難易度が異なった場合に、『満点の取りやすさ』が異なってきます。
つまり、リスニングで同じ回の試験で495点を取るための誤答数が、メジャーでは4問ミスだけれどもマイナーでは3問ミスまでしか許されないということがあります。リーディングの場合だと、495点を取るためにメジャーでは1問ミスでマイナーだとノーミスまでということが多々あります。
そういった意味ではスコアの有効性に違いがあるのですが、大部分に人にとってはあまり気にしてもしょうがない話ですし、そんなこと気にしているくらいなら1問でも色塗りをしないように努力すべきです。
一番気になることかもしれませんが、TOEICの特殊な採点基準によって各回の難易度を考慮して点数が出るので、スコアには基本的に影響しないとETSが言っていますから安心すべきでしょう。
まとめ
いかがだったでしょうか。
今回は『【必見】TOEICの問題フォームとは!?メジャーとマイナーの相違点や見分け方&難易度を解説【スコアには影響なしです】』というテーマでお話をしてきました。
TOEIC公開テスト及びIPテストにおける問題パターン、通称『フォーム』の解説です。今に始まったことではないですが、TOEIC界隈では以前からこういったフォームの違いから問題を分析し、その分析結果を将来のテストに当てはめることで、問題のリサイクルを前提とした所謂『予測』『予言』みたいなことが行われていました。
TOEICが職業になっていらっしゃるような方々に多い印象です。私はいちいちそんな細かいことを分析して再現するとかいう面倒なことはやりたくないので、満点を取っても一生TOEIC講師はできないかもしれません笑
いずれにせよ、そういったテスト形式にパターンがあり、それをメジャーとマイナーというように呼ぶんだ、ということさえ覚えておけば今後、TOEICの話題が出て会話が噛み合なくなったときに『フォームの違いだね!』ってさらっと言えるようになります。
長々と解説してきましたが、個人的にはそれで十分だと思っていますし、何度も言っていますがフォームの形式にこだわったり分析したりする必要は一切ないでしょう。
そんなことより、もっと大切なこと・やることがあるはずです。それが何かはあなた自身だけが知っているかと思います。
これからも当サイトと一緒に頑張っていきましょう!!
最後までお読み頂き、ありがとうございました。
【最後に】TOEICを頑張るあなたにオマケ情報!
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