TOEIC高得点なのに話せないのはなぜ!?TOEICは英語力とは関係ないの?理由と対策を英語講師が徹底解説

日本で英語力を測る指標としてよく使われるテストといえば、TOEICですよね。TOEICはリスニング100問、リーディング100問の全200問で構成されているテストで、一般的に高得点者は英語力が高いとされています。

そのためTOEICのスコアが高ければ、就職や転職、昇進に「英語ができる人」とみなされて有利に働くことがあります。

とはいえ、よくこんな声も聞こえてきます。

TOEICは満点だけど、会話はあんまりできない…。

TOEICのスコアはいいのに話せないから、TOEICのスコアを言うのが逆に恥ずかしい…

なかには「本当はTOEIC900点だけど、英会話は苦手だからわざと低いスコアを言っている」という人もいるそうです!これはなんとも由々しき事態!!

どうやら、「TOEICで高得点=英語が話せる」というわけではなさそうです。英語力を測るはずのTOEICで、なぜこのように実際の点数と会話力の間にギャップが生じてしまうのでしょうか?

この記事では、現役英会話講師である私が『TOEIC高得点なのに話せないのはなぜ!?TOEICは英語力とは関係ないの?理由と対策を英語講師が徹底解説』というテーマで以下のことを紹介していきます。

  • TOEICで高得点だが英語が話せない人の現状
  • なぜTOEICで高得点でも英語が話せないのか?
  • 英会話を上達させる英会話講師おすすめ勉強法

TOEICと英語力の関係について、早速見ていきましょう!

目次

TOEICは高得点だけど話せない人の現状とは?

さて、私は現在カナダ4年目で、現地の老人ホームでスーパーバイザーとして働いています。今でこそ英語が話せるものの、日本で働いていたころはまさに「TOEICはできるけど会話力は低い」という状態でした。

当時の私のスコアは855点。スコアとしては十分ですが、英語での会議のメモ取りを任されてもほとんど聞き取れなかったり、クライアントに何度も聞き返されて上司が代わりにすべて話してくれたりと、実際に使える英語力がほとんど身に着いていなかったのです。

YUKI

当時の私は英語の勉強=TOEICみたいな感じで、ただTOEICのスコアを上げることに一生懸命だった。

現在はオンラインで英会話を教えていますが、当時の私と同じような生徒さんに出会うことがあります。

ここでは、「TOEIC高得点だけど話せない」という人を3つのケースに分けて紹介していきます。知識はあるのにどうして話せないのか?というポイントからチェックしていきましょう。

正しい文法にこだわりすぎている人のケース

日本人に多いタイプがこちら、「正しい文法に取り憑かれている」という人です。

以前にこんなことがありました。

生徒①:Ah, yes, I get used to… あ、ちがうI am getting used to…あれ、I got used toかな…? うーん…(そのまま沈黙)

生徒②:I arrived to…あれ、at…?in…?前置詞はどれでしたっけ?うーん…(沈黙)

この生徒さん2人は、正しい単語がわからずにつまずいてしまい、そこで永遠に考え込んでしまいました。

テストでは大事なことですが、日常会話では使う動詞や時制を間違えたり、ちょっと文法を間違えたくらいでは誰も気にしません。それよりも、間違えながらでもスムーズに会話を続ける人のほうが英語力があるとみなされます。

YUKI

私のカナダの職場にも、数人ノンネイティブの職員がいます。カナダに20年以上住んでいる人もいますが、正直文法はけっこう間違えてます(笑)でも自分の英語に自信を持っているし、会話をしていて変に思うことも特にありません。

間違えてもいいから最後まで話す!間違えても特に誰も気にしない!間違えても恥ずかしくない!という気持ちが大切です。英語がペラペラに見える人も、実はけっこう文法を間違えているんですよ。

英語を話すことに慣れていない人のケース

一般的に「TOEIC」というと、「TOEIC® Listening & Reading Test」のことを指しますが、このテストではスピーキングとライティングの能力は関係ないんですね。

というわけで、TOEICの勉強をするうえで英語を話す必要がありません。つまり、せっかく英語を勉強しているのに、英語を話していない人が非常に多いのです。

単語は知ってるのに、読み方と使い方がわからない!ということって意外と多いんじゃない…?

例えばテスト勉強でありがちなのが、“beautiful”“べあうてぃふる”と呼んで覚えているというように、これでは実際に英語を話す場面で本来の発音ができないですよね。

このようなタイプの方は、英語を話すたびに緊張してしまう、速くてカジュアルな英語が聞き取れない、カタカナ発音が抜けない、頭の中でしっかり考えてからじゃないと話せない、あいづちが上手く打てないなど様々な問題が生じます。

英会話は慣れも大きいです。スピーキングをまともに練習したことがないと感じる方は、英語を話す機会をとにかく多く作ってみることがおすすめです。

日常会話で使う語彙力が乏しい人のケース

TOEICが高得点で、英会話もそれなりにできるという人ももちろんいます。しかしそこで気になってくるのが、「使う英語がめちゃくちゃ固くて難しい!」というもの。

もちろん教科書英語でも話せることはめちゃくちゃすごい!でも日常英会話なら、ちょっとその言い方固すぎるかも。

ここで問題です。みなさん、こちらを英語にできるでしょうか?

(問題)スケジュールの都合のため、会議の日程が再調整されました。

TOEICでよくあるタイプの文章ですね。

(答えの例)The meeting has been rescheduled due to a scheduling conflict.

もちろん答えは一通りではないですが、TOEIC高得点の方は難なく英語にできる人が多いのではないでしょうか。

それでは次です。

(問題)その場の流れに任せて、様子を見ながら決めよう。

日常的によく使うセリフですね。

(答えの例)Let’s play it by ear and see how things go.

いかがでしたでしょうか。カチッとした文章なら英語にしやすいですが、2つめのような日常でよく使う曖昧な表現って、なかなか英語で言えない人も多いのではないでしょうか?

そもそもTOEICはビジネス英語が多く、フォーマルな語彙を多用しています。そのため私が講師をしていて気がついたことの1つは、日本人の使う英語、レベル高い!ということ。

ネイティブとの日常会話やカナダで出会う留学生は、もっと簡単な言葉を使いがちです。

例えば以下のような感じです。

I seldom drive a car.hardly ever (rarely) drive a car.
I am looking forward to seeing you.I can’t wait to see you.
In addition to that, we hired two new staff members.Also, we hired two new people.
Despite that, the event was a success.Even so, the event went really well.

ビジネスのみで英語を使うなら何の問題もないのですが、日常会話を上達させたいという方は教科書英語からの脱却を目指してみてもいいかもしれません!

TOEICが高得点なのに話せない理由はズバリ会話の練習をしていないから

というわけでTOEICでは高得点なのに英語が話せない人の3つのケースを紹介しました。英語の知識があるのに英語が話せない理由は圧倒的なアウトプット不足です。

どれだけ知識があっても、実際に使ってみないとうまく使いこなすことはできません。どれだけ車や交通ルールの知識があっても、練習しなければ車を運転できないのと同じですね。

英会話力を上げるには実際に英語を使ってみて、「通じた!」「通じなかった!」という経験を通して会話力を磨いていくことが何より効果的です。

習うより慣れろ!今こそ積み上げてきた知識を使うときだ!

また、「英語ができる」という自負がある人ほど間違えるのを恐れて積極的に話さないという傾向があるように感じます。これはかつての私自身もそうでしたし、講師をしていても感じることです。

YUKI

うまく言えることだけ話して、長く話さなかったりとりあえず話してみるという挑戦をしなかったり。英語ができる人ほど、短くきれいな文章をさっと話して終わり、ということが多いような気がする。

恥を捨てて、英語をたくさん話していきましょう!!

TOEICと英会話は別物!「〇点取ったらペラペラ」とかはない

TOEIC® Listening & Reading Testは先述の通りスピーキングテストがないので、TOEICのスコアは会話力に直結しにくいです。

TOEICを運営する国際ビジネスコミュニケーション協会が発表しているTOEICスコアとコミュニケーション能力レベルとの相関表は以下のようになっていますが、

860~NON-NATIVEとして十分なコミュニケーションができる
730~どんな状況でも適切なコミュニケーションができる素地を備えている
470~日常生活のニーズを充足し、限定された範囲内では業務上のコミュニケーションができる
220~通常会話で最低限のコミュニケーションができる
 コミュニケーションができるまでに至っていない
参考『PROFICIENCY SCALE (hubspotusercontent-na1.net)

個人的には860点以上の人全員が、英語で十分なコミュニケーションができるレベルとは言い難いと思います。

TOEICの勉強は、語彙力が増えフォーマルな英語表現が学べるので、メリットがたくさんあることは間違いありません。しかしTOEICと英会話は別物ということを理解しておきましょう。

英会話を勉強するうえで、TOEICの高得点だけを目指していても英語が話せるようになるには時間がかかるかもしれません。

カナダで暮らしている私の周りには、TOEICのスコアは低いけど英語は問題なく話せるという人が結構います。

例えば友人のAくんは、TOEICが500点ほど。しかし日常英会話で使うフレーズや単語をたくさん覚えているので、友人とのコミュニケーションは何も苦労していません。また、洋楽を聴いたり英語で映画を観ることも好きなので、リスニング能力にも長けています。

その一方で“board meeting”や“entrepreneur”といったTOEICでは頻出の重要語句はあまり知りません。これらのビジネス英語は、日常会話ではそこまで必要がないわけです。

というわけでTOEICのスコアが低い=英語ができないというわけではありません

TOEICのスコアが低くても、英会話の訓練をしていれば英語はちゃんと話せますし、TOEICのスコアが高くても、会話の練習をしていなければ英語は話せないのです。

TOEIC以外の勉強もしよう!英会話の上達におすすめの勉強法

TOEICは高得点なのに会話は苦手だから、もっと英会話の練習がしたい!と思っている人も多いと思います。TOEICで高得点を取ると、仕事で英語を使う機会を与えられることもありますよね。その時に英語がちゃんと話せないとちょっと困ってしまうかもしれません。

そこで最後に、すでにTOEICで高得点を取っている人がプラスαで行いたい勉強法を紹介していきます!

もう英会話の基礎はできてる状態だからね!きっと上達は早いはず!

日常的に英語を話す機会を作る

まずは英語をとにかく話す、これに尽きます。英語を話す機会としては、英会話教室、オンライン英会話レッスン、外国人の多いバーなどに行くなど様々な手段があります。

YUKI

それぞれに良さがありますが、私はオンライン英会話には非常にお世話になりました。めんどくさがり屋の私でも続けられる気軽さが魅力。

会話をすることで、自分の英語がどれくらい伝わるのかわかる、知らなかった表現や便利なフレーズを学べる、様々なアクセントに触れられるといったメリットがあります。

まずは自分の英語がどれくらい通用するのか知るためにも、色々な人と英語で話してみることから始めてみましょう!

また、話す際は間違えることを気にする必要は一切ありません!間違えても伝わればオッケー!自信を持って行きましょう!

日常英会話に特化した勉強を始める

“play it by ear(臨機応変にやる)”や“make it(間に合う)”など、日常で毎日のように使うけどあまり馴染みのない英語表現はたくさんあります。そういった英語表現やフレーズを覚えることからまずは始めてみましょう。

特に映画やドラマ、YouTubeを観ることで自然なネイティブの会話を聞くことができます。特に日常の様子を描いた作品を観ると、日常会話の練習になるでしょう。

YUKI

他にも英語日記を書いたりや英語で独り言を言ったりしてみて、「これなんて言うんだろう?」と思った表現を調べることも大切!自分が日常でよく言うことは、英語で言えるようにしてみよう!

発音やイントネーションに気をつけながら音読する

単語は知っているけど正しい発音ができない!発音しているのに全然伝わらない!今まで発音を意識してこなかった!

という人も多いのではないでしょうか?ニュースなどの英文を、ゆっくり気をつけながら発音する練習をしてみましょう。HeartとHurt、sheとsea、Worldなど、言えていると思っていても実はちゃんと発音できていないかもしれません。

英語らしい読み方ができるよう、英語を声に出して読む練習をしてみてはいかがでしょうか。

かつて英会話講師をしている英語ネイティブの知り合いが、「文章をとにかく速く読んでドヤる生徒がたまにいるけど、細かい発音が全然できていないし発音が間違っている人が多い」と嘆いていました(笑)スピードではなく、丁寧に抑揚をつけて読むことが大事です。

難しい言葉を使わず簡単に言い換える方法を考える!

TOEICで学んだ語彙をそのまま日常会話で使うと、ちょっと堅苦しいフォーマルな文章になってしまうことがあります。その文章、実はもっと簡単に言えるかもしれませんよ。

言いかえの例
TOEIC英語日常の英語
これはどこに片づけたらいい?Where should I put this away? Where does this go?
私に教えてください。 Please notify me. Please let me know.
雨で試合が中止になりました。The game was canceled due to inclement weather. The game was called off because of the rain.

よく中学英語で英会話は十分可能と言われますが、自分の意見を伝えるだけであれば中学英語でも十分伝わると思います。難しい言葉を使えるから英語ができるというわけではありません

一度初心に帰って、シンプルに話すことを心がけてみるのもいいかもしれません。

【まとめ】TOEIC高得点は英会話の基礎ができている状態!

というわけで、『TOEIC高得点なのに話せないのはなぜ!?TOEICは英語力とは関係ないの?理由と対策を英語講師が徹底解説』というテーマで記事を書きました。

TOEIC高得点でも英語が話せない人は少なくありません。でも安心してください。それはただ会話に慣れていないだけで、英語の基盤はしっかりできているんです。

仕事で英語を話さなければいけない

TOEICできるのに英語全然話せないじゃんと言われた

など、「TOEICで高得点を取ったからには英語をちゃんと話したい」と考えている人はぜひ会話の練習もがんばっていきましょう!仕事で英語が使いこなせたらかっこいいですよね。

  • 日常的に英語を話す機会を作る
  • 日常英会話に特化した勉強を始める
  • 発音やイントネーションに気をつけながら音読する
  • 難しい言葉を使わず簡単に言い換える方法を考える

ぜひ上記のことを実践して、会話力を磨いてくださいね!英語ペラペラまであとちょっとです!

みなさんの英語学習を応援しています。ここまでお読みいただきありがとうございました。

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この記事を書いた人

里見 優希のアバター 里見 優希 EARTHIANS WRITER

カナダ在住。中学生のころからアメリカやイギリスのロックミュージック、映画などにハマり、英語に興味を持ち始める。大学生のころにハワイ、ニュージーランドへ1カ月の短期留学へ行くなど継続して英語の勉強を続け、2020年にTOEIC855点取得。新卒で入った仕事では主に国際関係の業務を担当し、英語で会議やアテンドを行う。2021年に日本での仕事を退職しカナダへCoop留学を決め、現在に至るまでカナダで仕事をしながら生活をしている。

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