エアアジア・ジャパンという航空会社があります。
エアアジア・ジャパン株式会社(AirAsia Japan)は、2014年に設立された日本のLCCです。英語では(AirAsia Japan)と表記し、全日本空輸のANAや日本航空のJALと同じように『WAJ』というスリーレターで親しまれています。真っ赤な機体が有名ですね。
エアアジアジャパンの本社は中部国際空港セントレア内にありますが、エアアジアグループの本社はマレーシアのクアラルンプールにあります。エアアジアは、アジアのLCC王者として長年君臨しており、シンプルでありながら求める人には質の高いサービスを行っています。エアアジアのネットワークは150以上の就航地に拡大中で、東南アジアの発展も含め、これから更なる活躍が期待できるエアラインです。
CAさんに関してもある意味独自色が強く、制服が真っ赤であり(コーポレートカラー)、CA志望者も含め結構好みが分かれる航空会社だと思います。確かにあの真っ赤な制服は、似合う人と明らかに似合わない人がバッサリ分かれます。外資系航空会社ということもあって、本気でCAを目指している人以外は受験しないことも多いかもしれません。
私もエアアジア・ジャパンは何度か利用させて頂きましたが、日本人じゃないクルーも多くいましたので、グローバルかつ多国籍な環境で自分を磨いていきたい!幅広い視野を身に付けたい!という方にとっては、今後のアジア圏における航空業界の発展を考えても良い環境だと思います。
さて、現在当サイトではCA(客室乗務員)と英語力に関する記事をシリーズ化させています。これまでに国内の主要な航空会社について考察を行ってきました。
今回はエアアジア・ジャパンの客室乗務員における就活についての記事になります。
航空会社の就活でも当たり前のようにエントリーシートを提出し、そこにTOEICのスコアの記入する欄があります。
『客室乗務員を目指しているけど、あまり英語は得意ではない』そんな方もいらっしゃると思います。CA就活のために準備をしておきたいけど、具体的に何点を取得しておけば良いか分からないといった方の為に、本日は『【WAJ】エアアジア・ジャパンのCA内定に必要なTOEICの点数は何点!?アジアのLCC王者が求める英語要件とは【LCC】』というテーマでお話しようと思います。
今回はジェットスター・ジャパンに続き、二つ目の外資系航空会社になります。やはり外資系ということもあり、TOEIC等、英語資格の要件も厳し目なのでしょうか。
エアアジア・ジャパンのCA内定に必要なTOEICスコア
通常の就職活動においては、TOEICのスコアはあったらあったで有利になりますが、基本的にポテンシャル採用になるので必須ではありません。しかし、これが『航空業界』となると話は別になってきます。
航空業界と言えば、皆さんのイメージの通り『英語』が必須の世界になってきます。従って、TOEICは『あったら有利』というよりむしろ『足切り』として使われることが多く、一定のスコアを持っていないとそもそも応募すらできないケースが多々見られます。
今回はエアアジア・ジャパンがCA(客室乗務員)に求めるTOEICのスコアについて見ていきましょう。一番簡単な方法は採用ページの募集要項を見ることです。公式HPの採用情報の所から進んでいくと、セントレア勤務で募集要項が出ています。以下はエアアジア・ジャパンの客室乗務員の応募資格です。『年によって変わるのでは?』と思われるかもしれませんが、基本的に募集資格というのは早々に変わるものではありません。
Job Description
【募集内容】
客室乗務員 (経験者/未経験者 )
【業務内容】
客室乗務員業務(国内線、国際線乗務予定)、およびこれに付随する関連業務
【入社時期】
2020年3月以降、会社の指定する時期
【採用人数】
20名程度
【応募資格】 ≪客室乗務員経験者/未経験者共通≫
・専門学校/短期大学卒業以上の方(現在在学中の方で弊社指定時期に入社可能な方は応募可)
・マレーシアでの訓練(2ヶ月半程度)に参加可能な方
・ 航空機乗務に際し呼吸器・循環器・耳鼻咽喉・眼科・脊椎等に異常のない方
・矯正視力0.8以上の方(コンタクトレンズ使用可)
・中部国際空港、もしくは会社の指定する空港まで公共交通機関もしくは自家用車を利用して60分以内で通勤可能な場所に居住または居住予定の方
・ 2020年2月時点で、パスポートの残存期間が12ヶ月以上ある方
・外国籍の方は日本で就労可能な在留許可を取得していること
・客室乗務員として経験のある方(国内・国際不問)歓迎 ※客室乗務員経験とは保安要員として訓練を受け、乗務されていた場合をいいます
・先任客室乗務員/チーフパーサーの経験がある方歓迎
【語学】
・TOEICスコアが650点以上もしくは英検2級以上の英語力を有する方(入社後、マレーシアで現地教官により実施される訓練に対応できる英語力、英会話力が必要)
・その他の言語(中国語、韓国語など)が話せる方歓迎
・日本語を母国語としない方は、ビジネスレベルの日本語会話が可能で、漢字の読み書きができる方
引用元:エアアジア・ジャパン キャビンクルー募集要項
エアアジアは外資系ということもあり、ホームページの求人ページから純粋な日本企業とは異なることが分かります。前回のFDAに比べ、高卒ではアプライが不可能ですので、その点、専門学校卒以上の学歴は必要になってきます。エアアジア・ジャパンの面白い点ですが、視力が0.8でも大丈夫ということで、一般的なエアラインの条件よりも緩いのが特徴です。
また、経験者を結構優遇する傾向にあるのが見て取れます。愛知が地元の人で、セントレアで働きたいという人や大手でCAをやっていたけれども体力的に厳しいから地域を固定して働きたいという人にとっては朗報かと思います。
注意すべきポイントですが、エアアジア・ジャパンの場合、初期訓練をマレーシアで行うということです。そうなってくると、教官もマレーシア人ということで英語力の要件が問題になってきますよね。
上の募集要項を見てみると次のようになっています。
上記にてお分かりの通り、全日本空輸(ANA)や日本航空(JAL)等の一般のエアラインに比べて、それ以上のTOEICのスコアが設定されていることがお分かり頂けます。やはり、外資系ということもあり、英語であっても意思疎通をちゃんとこなせるだけの英語力が必要になってくると言えるでしょう。新卒・既卒であったとしても基本的に求められる英語力は同じになります。いつ入社しようが、業務内容は同じだからです。
このように、最低でもTOEICで650点を取得しておかないと足切りとなり、書類選考を通過することができません(というより事実上応募不可)。
総合商社や一部のメーカーにもありがちですが、選考過程において『証明書類の提出は別途通知します』と書いてある会社に関しては、ほぼ間違いなくスコアを提出されられますので、スコアを盛ったり虚偽表示をすることは一切不可能です(WAJは応募段階で提出必須かは不明)。
ちなみに、TOEICで650点というスコアは英検に換算すると2級と並べられることが多いです。650点を取れていれば、英検2級は難なく合格できるような気がします。600点というスコアは現在の日系エアラインでCAに求められる英語力の平均的な数字ですが、エアアジア・ジャパンはそれ以上を求めてきます。とはいえ、『英検2級』という観点から考えれば同じですので、特にそこまで気にする必要はありません。
しかし、CA記念受験組を除き、おそらく皆さんが目指すところは『応募』ではなく『内定』だと思います。
数多くのライバル達と戦い、勝ち抜いていく為にはTOEIC600点では少し心もとない気もするでしょう。CA受験において『何点とっておけば絶対内定』といったものはありません。客室乗務員に関しては英語力もそうですが、それ以上に様々な要素が絡み合ってくるので、英語力はその指標の一部にしか過ぎないのです。
ちなみに、ANAウイングスでもそのことは言われています。エアアジア・ジャパンとANAウイングスは別会社ですが、英語力に対する採用基準や考え方は根本的に一緒と考えてもらっていいです。
私たちの仲間として一緒に働いて頂く方の人物重視の選考を行なっているため、英語力だけで合否を判断しておりません。
引用元:ANAウイングス 採用サイト
ただ、そうは言ってもある程度のスコアを獲得して安心したい気持ちも分かります。では何点を取っておけば良いのでしょうか。
エアアジアはできればTOEIC700点(英検2級A程度)以上を取っておくとよい
採用予定人数というのは、その年の景気や企業動向の問題もありますし、特に航空業界は世界経済の影響をモロに受けますので年度毎に様々です。しかしながら、ここ数年は2020年に開催される東京オリンピックの影響もあり、JALやANAでは500〜600人程度が採用されます。それに対し、応募者がどれくらいいるかという話ですが、7000〜9000人は存在します。
当然中の当然ですが、JALの客室乗務員を志望する人はANAも受験します(片方しか受けないのは相当まれ)。そして、客室乗務員に本気でなりたい方は、航空会社全てを受験するのが常識中の常識です。従って、ANAを受けている人もWAJを当然受験するでしょう。
ここで問題となってくるのが、エアアジア・ジャパンのようなLCCだと、採用人数が少なめに設定されているということです。大手のように大量採用大量離職のような状態では無いので、逆に内定にまで至る道のりが狭き門だったりします。募集要項を見ると20名程度です。
そうなってくると、書類で落とされる人は数多く存在してきますね。最近流行りの動画選考等を加味し、その他のスペックが殆ど同じ人間であればTOEICの高い方を優先的に次のステップに上げることは優に考えられるのです。そのため、応募条件の650点で満足して提出してしまうのは少しもったいないような気がします。
現実的にはTOEIC700点(英検2級A程度)レベルの勝負になってくると思います。体感的な数値で申し訳ないですが、私自身の就職活動を通して出逢った方々を見ても、おおよそ600後半〜700後半くらいが一番多いように感じますし、内定者のボリュームゾーンになってくると思います。
もちろん、800overのスコアを持っているのであれば、それに越したことは無いのですが、700以上あれば『英語力』で足切りされることはありませんし、仮にお祈りを喰らったとしても、それは英語力が原因ではありません。ANAの自社養成パイロットでも応募条件で700点が設定されている以上、新卒のCAにそれを求めることは到底考えられないからです。
このことから考えても、TOEICで700点以上のスコアを獲得できたらそれ以上にスコアを伸ばす等のことを無理にする必要はないのです。その時間があったら、エントリーシートを何度も読み直して完璧にしたり(ESで落ちるのは避けたいから)、動画面接および集団面接などの対策に力を注いだ方が結果的には内定に近づくと思われます。
エアアジア・ジャパンは英検も評価します
エアアジア・ジャパンは、TOEICで650点ということでしたが、JALと同じように英検も少なからず評価するように感じます。『同程度の英語力』という表記があるからです。航空会社の中にはGTECで代替できる所が多いですが、GTECのような世間的にマイナーな資格に力を入れて取り組むのであれば、TOEICや英検に注力した方が100倍良いと思います。
マイナー資格ということは、それだけ頑張って資格を取得したとしても評価できる人の『絶対数』が少ないからです。このことを単純に解釈すれば、英検であれば2級を取っておけば間違いないように感じます。そもそも募集要項に英検に関しての記述があるわけですし、『別にTOEICでなくても英語ができる指標があれば良い』という企業の姿勢が見て取れるからですね。
従って、英検を勉強されている方はどんどん英検をやればいいと思います。ちゃんと評価してくれるはずです。この辺りは企業のカラーもあるので面白い所ですよね。
CAは航空会社によってTOEIC要件のみならず英語面接もあるので注意!
日系大手航空会社では、エントリーシートの提出後に英語試験が課されるほか、英語面接を行う場合もあるので要注意です。大手航空会社では、国際線も飛んでいますので、それを見越して入社段階である程度のスピーキングができるかも判断されています。
スピーキングの能力を担保するためにTOEFLや英検を受験するのも一つの方法なのですが、そもそも企業の人事は会社でTOEFLや英検を受験しないので効果的と言えず、やはりTOEICで700点以上を獲得しつつ、現実的にはネイティブキャンプやDMM英会話と言ったオンライン英会話を利用して面接対策を行うことが理想です。
面接と言っても、日常的なコミュニケーション能力をみるだけで、英検のように『街中に防犯カメラを設置することはプライバシーの観点からどうか』みたいな(実際に私が2級の面接で聞かれた)ことは問われませんので、上記のオンライン英会話で日常の会話を練習しておくだけでも全然違うと思います。
どのみち、英語は入社してからもやっていくと思いますし、仮に入社後に挫折してしまったとしても国際線に回されないだけなのでそこは気軽に立ち向かっていく気合いが重要です!
エアアジア・ジャパンはTOEICもいいけど中国語・韓国語も重宝されますよ!
TOEICとは話がずれてしまうのですが、実は航空会社というのは『JTB』や『HIS』といった旅行会社と同じく、英語以外の語学スキルも重宝されます。この点は総合職やパイロット以上に求められることが多いように感じます。
現代では英語が共通語として認識されているのは事実ですが、中華系の訪日インバウンド客というのは非常に多く、特にキャビンを担当することになる客室乗務員は中国語ができると尚評価されると思います。もし、英語に加えてある程度の中国語が可能であれば、そちらの路線にもすぐに対応することができ、アピールポイントになることは言うまでもありません。
エアアジア・ジャパンは、募集要項の中で、明確に中国語や韓国語等のアジア言語ができる人間を歓迎すると言っているので、ある意味では英語力はそこそこにしておいて、中国語や韓国語といった言語をマスターした方が『そっち枠』で採用されるような気がします笑
もし、私がエアアジア・ジャパンの客室乗務員を目指すのであれば、あまり皆が勉強する事の無い中国語等を猛勉強して、HSKで5級ないし6級辺りを取得して臨む戦略に出ます。この辺りは、ANAやJALと少し戦略は異なってくるので、各自の方向性に合わせて選択していくべきであると感じます。
ただ、英語に関しては結局どこの航空会社でもマストになってくるので、エアアジア・ジャパンが本命の人にとっても、あくまで英語を頑張りつつスタディサプリ等のアプリをガンガン活用しながらスコアを伸ばし、余裕があれば中国語ないし韓国語にも手を出すのが最適解だと思います。
エアアジアのCA選考はできる限り早くから対策することが大切
ここまで、CA選考におけるTOEICの重要性について語ってきましたが、TOEIC対策はなるべく早めに対策を行っておくことが重要になります。IPテストも含め、TOEICは無限に受けられるものではありません。
私自身、TOEICの点数が足りずに直前期になって焦っているCA志望の方たちを何人も見てきました。少しでも高い点数を取るに越したことはないのですが、できるだけ早くから対策をしておけば焦らずに選考に臨めると思います。
目標点を設定し、準備を開始してから実際にスコアを取得するまで早くて3ヶ月〜半年はかかるかと思います。英語は一朝一夕で能力が向上するものではありませんし、突然できるようになるものでもないので、大学生や専門学校の方であれば少しでも低学年からTOEICの対策をしておくことをおすすめ致します。
できる限り早めに対策を行い、ライバル達に差をつけましょう!
まとめ
いかがだったでしょうか。
本日は『【WAJ】エアアジア・ジャパンのCA内定に必要なTOEICの点数は何点!?アジアのLCC王者が求める英語要件とは【LCC】』というテーマでお話をしてきました。
CAを目指している人は、統計的に国際学部関係の人が多いので、自ずとTOEICのスコアも高い人が多いのが特徴です。しかし、専攻が英語の人だけかというとそういうわけではなく、実に様々な学部・学科から採用されます。
応募資格のTOEIC600点・目標点となる700点は、国際関係の学部以外の一般的な学部の学生さんにとって多少難しく感じることもあるでしょう。しかし、コツコツと真面目に取り組んでいけば600〜700点というスコアは決して難しいものではありません。当サイトおすすめのTOEIC対策アプリであるスタディサプリも上手に併用しながら対策するのが良いと思います。
WAJは外資系ということもあり、働いている人も外国籍の方も多いので、必然的に英語力は必要になってきます。それに加え、航空業界というのは、機体に関することから航空法に至るまで、絶対に英語がついて回るのは変えられない事実です。そのため、入社してからもコツコツと努力していく姿勢を見せることがCA内定に必要になってくるのではないでしょうか。
本記事が皆さまのお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!
【最後に】TOEICを頑張るあなたにオマケ情報!
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